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SuicaにPASMO、ICOCAやSUGOCAなど、ICカード乗車券は日本全国で爆発的に広がり、今や日本の常識と化しています。都会で日常的に電車に乗る人で、ICカード乗車券を持っていない人はかなりの少数派ではないでしょうか。
今や「ピッ」とタッチするだけで自動改札機を通れる時代……かと思いきや、ICカード乗車券が使えない地域はまだまだ存在します。自動改札機に切符を通すという、かつては当たり前のことだった行為も、久々にやってみると戸惑うもの。アタフタして、うっかり裏返った切符を通してしまうと……?
ブザーが鳴ることもなく、ちゃんと通してくれます。切符も何事もなかったかのように表向きで返ってきます。

そう、自動改札機の中には切符の表裏を読み取る磁気ヘッドが付いており、通常通り表が上で入れられた切符はそのまま、反対に裏が上で入れられた切符は中で反転させてからデータを読み取る仕組みになっているのです。
この親切設計、ICカードが普及する現代ではこれくらいできて当然のようにも思いますが、地味にすごいですよね。
実は、かつては切符を裏返しで入れると、データを読み取れずにエラーが出てしまっていました。これでは混雑時に改札前が渋滞してしまいます。しかし、正しい向きで入れた場合と裏返しで入れた場合と、2つのデータ読み取り機を上下それぞれに付けるのも、それはそれでコストが高くついてしまいます。
そこで、まずは「切符の表裏だけを読み取るセンサー」を付け、向きを統一した上で、データ読み取り機は1つで済むような構造に設計したのです。ちなみに横向きに入れても正しい向きになって出てきます。
自動改札機の親切設計は、混雑回避とコストダウンの結果の産物だったのですね。
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