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除草剤をまかれ、メロンハウス6棟が全滅。北海道空知郡の寺坂農園の公式ブログに投稿された内容が衝撃を呼んでいます。ねとらぼでは被害に遭った農園の代表者に取材を行いました。

手塩にかけて育てたメロンが除草剤の被害に……(画像は寺坂農園公式ブログより)

写真撮影時の心境を思うと辛いものがあります
農園が被害に遭ったのは7月9日の深夜から未明にかけて。翌朝職員が確認すると、「2カ所ある給水栓が半開きのまま水が垂れ出るよう工作される」「9棟の全自動換気装置が狂わされる」「8棟の換気装置用ブレーカーが落とされる」「6棟に除草剤を散布される」という被害が次々に発覚。メロンは繊細な作物のため、どの事象も放置すれば全滅に繋がる危険なものでした。
約15人の従業員はひとつひとつの問題を解決すべく奔走。しかし除草剤による被害だけはどうすることもできず、数日間かけてゆっくりと枯れていくメロンをただ眺めるしかありませんでした。代表の寺坂さんはこの際の気持ちを、「たとえるなら高校生まで育てたかわいい子供が目の前でゆっくりと5日間かけて死んでいくような感覚。しかも6棟、約6600玉分も。もう、夢であって欲しい」と振り返っています。


11日時点では科学調査が完了しておらず、メロンが一時的に弱っているだけであると願わずにはいられなかったという。しかし翌日になっても回復せず、除草剤による被害であると確信することに
同被害に遭う以前にも、7月に入ってからは2〜3日に一度の頻度で朝になると換気装置の設定が狂うといった事態が3回ほど発生していました。当初は職員の操作ミスと思われましたが、現在はこちらも同一犯による可能性が高いと考えられています。
警察の科学調査により、メロン全滅の原因が除草剤であると確認が取れたことから、寺坂さんは農園の置かれている状況を8月3日にブログ上で公表。情報公開後はアクセスが集中し、サイトが閲覧しづらい状況が続いています。
ブログ上で代表の寺坂さんは、北海道でのメロン農業は夏の一発勝負であり、この時期を過ぎると来年の秋まで収穫と収入はないと吐露。ですが、1500万円相当の大損失で廃業する可能性すらある状況にもかかわらず、「この経験から学び、必ず復活してやる! 仲間と一緒にこのやりがいに満ちた楽しい農業をつづけるんだ。それが犯人に対する“最大の報復”だと思っています」と綴っています。
寺坂さんはねとらぼの取材に対し、「平和な田舎なので、こんな被害に遭うとは思いもよらなかったです。付近では除草剤による重大な犯罪はおろか、盗難被害といった話も聞いたことがありません」と、被害に遭ったことが今でも信じられないことをあらためて告白。「被害に遭ってからでは遅いので、畑が離れたところにある人には光センサーや監視カメラなどの自衛策を取っていただきたいです」と、被害経験を踏まえた心境を明かしました。
同農園のメロンハウスは全部で約30棟。現在は未収穫のハウスが6棟残っており、まずはこれらのメロンを守り、収穫していく予定。なお、警察の捜査は進んでいるものの、犯人はまだ逮捕されていません。まずは一刻も早い事態究明が望まれます。
取材協力/画像提供:寺坂農園
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