ねとらぼ
2017/08/22 18:48(公開)

Googleが画像のウォーターマーク(透かし)を一括削除する技術を開発 防止策も発表し技術悪用を先回り

技術が日進月歩。

 Googleがウォーターマーク(透かし)を一括削除するアルゴリズムと、そうした技術の悪用を防止する方法をまとめた論文を発表しました。

Googleが画像のウォーターマーク(透かし)を一括削除する技術を開発 防止策も発表し技術悪用を先回り

ウォーターマーク(透かし)を自動認識して削除してしまうアルゴリズム(画像はYouTubeより


 有料の画像サービスではサンプル画像をそのまま使われてしまわないよう、ウォーターマークを画像内に印字している場合がほとんどです。ところがGoogleによると、それだけでは不正利用の防止には不十分。Photoshopなどを駆使して手動でマークを消すには時間も手間もかかりますが、コンピューターアルゴリズムを駆使することで容易に消すことが可能だと説明しています。

Googleが画像のウォーターマーク(透かし)を一括削除する技術を開発 防止策も発表し技術悪用を先回り

ウォーターマークを手作業で消そうとすると……

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技術を要する上、時間もかかります

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Googleが示したアルゴリズムでは最初に画像を大量に読み込むことで、後で一気に除去できる

 論文の補足としてYouTubeにはこのアルゴリズムを視覚的に説明した動画も投稿されています。アルゴリズムは数百枚の画像を読み込むことで、自動的にウォーターマークと元画像の差異を認識。データが十分に得られたところで変換をかけると、あっという間にウォーターマークが画像から除去されてしまいます。

Googleが画像のウォーターマーク(透かし)を一括削除する技術を開発 防止策も発表し技術悪用を先回り

サンプル枚数が増えるにつれて綺麗に分離されるようになっていきます


 こうした技術の悪用に対し有効なのが、ウォーターマークにランダムなゆがみを発生させることなのだとか。ゆがみは肉眼で認識できないわずかなものですが、これによりアルゴリズムの判断が鈍り、ウォーターマークが綺麗に消えることは防げるとのこと。

Googleが画像のウォーターマーク(透かし)を一括削除する技術を開発 防止策も発表し技術悪用を先回り

通常のウォーターマークが綺麗に除去サれてしまっている(左下)のに対し、ゆがみを加えたウォーターマークは消されてもゆがみが残る(右下)


 同論文は7月22日からホノルルで行われた「コンピュータビジョンとパターン認識会議(CPVR)2017」で発表されたもの。Web上で全文が掲載されており、誰でも読むことができるようになっています。

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