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なんですか、そのありがた迷惑なプレミアムフライデーとやらは――働き方改革の現状を皮肉ったIT企業サイボウズの広告が話題になっています。日経新聞に全面広告として掲載されたもの。

広告は「働き方改革に関するお詫び」と題されており、「世の中の働き方を変えたい」という思いから起業し、自社内でも働きやすい環境づくりに取り組んできたというサイボウズが、徐々に広まりを見せている働き方改革に物申す内容。「深夜残業を禁止して早朝出勤を黙認」「働き方改革の号令だけかけて現場に丸投げ」と骨抜きになってしまっている現状を歯に衣着せぬ口ぶりで取り上げたうえで、「私たちにもっと力があれば」「不甲斐なさと申し訳なさでいっぱい」と述べる謝罪文風のつくりになっています。
この内容に、Twitter上では「ほんと分かる。形だけの残業抑制で結局誰も幸せになってない」「働き方改革に対する私たちの想いを理解している」と共感の声が。労働環境を改善するための施策のせいで、かえって働きにくくなってしまい、頭を悩ませている人は多いようです。
サイボウズに話を伺ったところ、この広告は同社社長を含むチームで制作したもの。「ありがた迷惑なプレミアムフライデー」をはじめとした大胆な表現は、より事実に近いことを主張したいという思いからあえて採用したとのこと。今回のプロジェクトでは新聞以外でも広告展開が行われているのですが、働き方改革を風刺する内容などを理由に、一部では掲載を拒否されてしまうトラブルもあったといいます。
新聞広告後半部分では、「アリとキリギリス」をモチーフに現代の働き方を風刺するアニメ「アリキリ」を紹介しているのですが、こちらにもネット上の注目が集まり、全3作で15万回超再生されているとのこと。しかし、「伝えたい人に伝えることを目的にしていたので、再生数は重視していなかった」とサイボウズ。画一的な育休期間、労働時間の規制などに翻弄されるビジネスパーソンを描いた同作を見て、働き方改革の本質について考える人が現れていることのほうがうれしかったそうです。

制作は「紙兎ロペ」を手掛けた内山勇士さん。かわいらしいタッチですが、内容は世知辛さ全開
ところで気になるのは、「では、働き方改革はどのようにすればうまくいくのか」という点。「アリキリ」特設サイトに掲載されているサイボウズ社長のインタビュー記事によると、同社が重視しているのは多様性。そのため、それぞれの社員がライフステージの変化に合わせて、勤務時間、勤務場所を選べる「選択型人事制度」などの取り組みを行っているそうです。
(マッハ・キショ松)
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