
子どもの頃に習うひらがな。今これを読んでいるほとんどの人が、あいうえおかきくけこ……という順番で習ったはずです。
当時はわけも分からず必死に練習していましたが、大人になってからよく考えてみると、1つの疑問が浮かびます。
日本語の五十音は、どうしてこの順番で並んでいるのでしょう?
実は、ほかの言語の影響を色濃く受けているのです。
子音と母音の組み合わせ
五十音の特徴として、子音と母音の組み合わせで表現されていることが挙げられます。子音が同じものは縦に、母音が同じものは横に並べられていますよね。
これは実は、中国語に由来しています。かつて中国では、漢字の発音を示すために「反切」という方法を使っていました。
反切とは、2つの漢字を組み合わせて1つの漢字の発音を表現するものです。例えば、「外(guai)」=「五(go)」+「会(kuai)」というように、1文字目の子音と2文字目の母音を組み合わせていたのです。
これを日本語の仮名にも応用して、例えば「カ(ka)」行の「ウ(u)」段は「ク(ku)」というように、整然とした長方形の表が作られた、というわけです。
なぜ「あかさたな……」?
では、どうして子音は「あかさたなはまやらわ」、母音は「あいうえお」の順番に並べられているのでしょうか?
これはなんと、サンスクリット語に由来しているとされています。サンスクリット語とは古代インドで使われていた言葉で、「梵字」という呼び方もあります。

仏教の研究のために梵字を読む必要があった当時の僧侶は、サンスクリット語を研究する必要がありました。
そのサンスクリット語では、子音が「あかさたなはまやらわ」、母音が「あいうえお」の順に並べられていたため、日本語にもそれを応用した、というわけなのです。
(※もちろん、日本語とサンスクリット語の発音は正確には違いますが、分かりやすさのためにサンスクリット語も日本語と同じ音として記述しています)
五十音順は、中国語とサンスクリット語という2つの外国語から成立しました。ここにも外国のものを受け入れて日本風にするという、日本の特徴が現れているように思えますね。
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