大阪大学や京都大学が、熊本地震の本震を観測したとする特に強い揺れのデータに、問題があったことが分かりました。当該データは既に公開を停止。研究チームの京大准教授・後藤浩之氏が防災研究所のサイトで謝罪のうえ、経緯を説明しています。


当該データは2016年7月以来、熊本県益城町にて観測されたものとして公開されてきました。しかし関連する論文に対し、異を唱える資料提供が2017年9月25日に匿名で寄せられました。指摘を受けてデータをあらためて精査したところ、重要な問題が確認されたとのこと。当該データに対しては、2016年末にも「他の記録と比較して不自然な点がある」と別種の指摘があったといいます。
後藤氏は「広く問題のあるデータが流布される事態となり、その一端を担ったことは疑いのない事実」と謝罪。当該データに関連する論文の取り下げ手続きを順次進めると述べています。
本件は10月3日に開かれた、林文部科学大臣の記者会見でもとりあげられました。文科相は「大阪大学に対し、関係機関と連携のうえガイドラインに沿った適正な対応を求める」と回答。文部科学省としては調査結果を受けて対応を決めるとしています。
(沓澤真二)
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