三菱電機は11月20日、「将来の駅・車両の円滑な交通システム」のコンセプトを公開しました。
同社が示した近未来の駅と車内のコンセプトは以下の通り。
- ゲートを廃した「フラットな改札」
- 鉄道事業者向けの新世代駅舎内見守り支援ツール
- ICカード情報に基づいた車内サービス提供サービスを提供
1つめは、改札のゲートをなくしますという提案です。通過するだけで認証できる通信技術を用い、改札がすっきりとフラットに。「ぴっ」のICカードタッチも不要にします。細い改札ゲートを通らなくて済むので、スーツケースを引く旅行者から、車いすやベビーカーなどの利用者でもスムーズに移動できるようになります。通過合否や通過する方向は床面に表示されるようです。
これが実現したら……なんだか改札がないと駅っぽくないという気持ちはありますが、ラッシュアワーや列車遅延時にどうしても詰まってしまう改札の危険や、両方向通過可の改札で先にタッチされてしまったときのイライラはかなり緩和されそうです。某イベントの始発ダッシュも……どうなるのでしょう。

改札はすっきりフラットに
2つめは、さらに安全・安心を、もっと乗客サービス力を高めたいと考える鉄道事業者向けの提案です。駅構内や車両内にいる利用者の位置を追跡する技術を活用し、例えば、車いす利用者や視覚障がい者など、安全面で確認しておくべき人物の居場所を強調して表示できるようにします。これによって、介助活動など駅での業務状況を駅員間で共有し、スムーズに対応できるようになるとしています。
また、これは「不正乗車をした恐れがある人」などの要注意人物も識別できます。犯罪を未然に防ぎ、もっと安心・安全な社会を実現する取り組みの1つにもなりそうです。

駅構内や車内で、利用者の状況を的確に把握する新世代の見守り支援ツール
3つめは個々が所持するICカード情報に基づいた、さらにきめ細かい車内サービスの提供に向けた提案です。ICカード情報を活用して、「降車駅や遅延時間を考慮した“目覚まし”機能」「個人の嗜好に合わせた、車内販売サービスの提供」「乗車時間に応じて再生時間が調整された動画サービスの提供」などです。特に「目覚まし機能」はうれしいと思う人、多そうです。

「駅に着いたら起こしてくれる機能」を含めた、新世代の車内サービス提供ツール
これらは、11月29日から幕張メッセで開催される「第5回鉄道技術展2017」で展示されます。
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