国土交通省が、2015年に実施した「全国都市交通特性調査」の分析結果および詳細資料を公表しました。全体的には、調査日に外出した人の割合や1日の移動回数が調査開始以来最低に。この傾向は20代に顕著で、移動回数が70代を下回る結果となりました。


調査は全国70都市(1都市あたり500世帯回収目標)を対象にしたもので、1987年に開始してから6回目の実施。外出の頻度は回を重ねるごとに減少し、今回は第1回調査結果と比べると、1日あたりの移動回数は平日で2.63から2.17回・休日で2.14から1.68回へ、外出率は平日で86.3から80.9%・休日で69.5から59.9%へと大きく落ち込みました。

20代のデータに注目すると、男性の外出率は全年齢平均を下回り、女性は上回る結果に。特に休日は男性の外出が少なくなっており、移動回数は第1回調査時から47%減少しています。内訳を見ると、「1度も外出しない人の増加」と、「1日に3回以上移動する人の減少」が平均値の低下をもたらしていることが分かります。


目的別に移動回数の推移を見ると、平日では業務目的(通勤除く)、休日は買い物以外の私用による移動が激減しています。国交省はネットおよびスマートフォンの普及率や20代における非正規就業者・非就業者の増加を示すデータも併記。ITによる業務の効率化や就労状況などの変化が、外出率の低下に影響していることを示唆しています。



その一方で、65〜74歳の前期高齢者は全年齢平均と同程度に外出していることが判明。75歳以上の後期高齢者の場合は運転免許の有無で大きく異なり、免許がない人は外出率が50%を切っています。また、30代の子どもがいる世帯では送迎を目的とする女性の移動が多く、男性の8倍に及ぶというデータが目立っています。



(沓澤真二)
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