2017年も終わりに近づいています。良いことも悪いこともたくさんあったけど、それらは全部水に流して、2018年はとにかく良い年にしたい。
さて、新年の吉凶を占うのに使われるのが「初夢」です。たった1回の夢によってその後1年間の良し悪しが決まるのは、少し都合が良すぎる気もしますが、それでもできるなら良い初夢を見たいもの。

来年の初夢こそ、「一富士(いちふじ)二鷹(にたか)三茄子(さんなすび)」の言葉の通り、富士山と鷹と茄子が一気に出てくるような夢を見てやるぞ!
……ところで、なんで茄子?
富士山と鷹は、まあ分かります。いかにも縁起が良さそうです。でも、茄子……? 正直、いまいちありがたさが分かりません。茄子の田楽を食べる夢なんて、初夢にしては地味すぎる。

諸説ありすぎ
ではなぜ茄子なのか? 他の野菜ではいけなかったのか? その由来には、さまざまな説があります。ここでは有力とされる一部を紹介します。
- 駿河にある高いもの説
徳川家ゆかりの地・駿河(現在の静岡県)にある「高いもの」を並べたというもの。「富士」はもちろん富士山。「鷹」は愛鷹山という静岡県東部の山。そして「茄子」は、初物茄子の値段が高いことを指しているとのこと。茄子は駿河の名産だったようで、当時のシャレのような決まり文句だったのでしょう。
- 駒込の名物説
東京都文京区にある神社、駒込富士神社。ここは、江戸時代の富士信仰の拠点となっていました。この近くには鷹狩を生業とする鷹匠の屋敷があり、また駒込茄子が名産であったことから、「駒込は 一富士二鷹 三茄子」なる川柳が流行した、というもの。
- ダジャレ説
富士山は日本一の山、鷹はその足で獲物を「つかみ取る」、そして茄子は物事を「成す」というもの。最後がダジャレなら、他もダジャレにしろよ、と思わなくもないですが……。
一富士二鷹三茄子の続き
ところで、「一富士二鷹三茄子」には続きがあることは知っていましたか?
これにも諸説あるのですが、「四扇(しおうぎ)五煙草(ごたばこ)六座頭(ろくざとう)」と続くのが通説です。これらはすべて駿河の名物で、「座頭」とは盲目のマッサージ師を意味します。
そもそも茄子の時点でめったに夢に出てこないのに、盲目のマッサージ師を夢に登場させるなんて、かなり困難のように思われますが、もしサイコーの初夢が見たいなら、なんとかコンプリートを目指してみましょう……?
参考文献
日本大百科全書「一富士二鷹三茄子」
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