2017年も残り20日をきり、同人漫画家の中には年末開催のコミックマーケットに向けて作品の完成に追われている人も多い時期。ある同人漫画家がTwitterに投下した1ページ漫画が、雰囲気全体はシリアスな話のようでいて、実は締切のやばい作者の悲鳴を盛り込んだ1枚になっており、多くの共感と笑いを誘っています。

一見、シリアスなワンシーンに見えるけれども……?(画像提供:@kyoshincatsさん)
投稿したのは「アイドルマスター シンデレラガールズ」の二次創作を制作する、虚心/夢之国刑務所さん(@kyoshincats)。話題の1ページには、吹き出し(発言)が一切なくモノローグ(心の声)だけ書かれています。
1コマ目は神妙な面持ちでこちらをみる男性(※武内P)、2コマ目は白い背景にモノローグだけ、3コマ目は女の子(※高垣楓)の微笑んだ口元のアップ、最後の4コマ目も白い背景にモノローグだけ。全体をぱっと見ると、何か真面目で切ない話が描かれている雰囲気です。

モノローグをよく読むと瀕死の作者の話だった
2人は何を考えているんだ……期待を胸にモノローグをしっかり読んでみると。1コマ目は「そろそろ割とマジでヤバいんですけど」、2コマ目は「だってこのコマ何描くか決まってないし」、3コマ目の女の子の微笑みの横には「いやそんな意味ありげに微笑まれても」、4コマ目は「このコマも何描くか決まっていないんだからね」。
この1枚、未完成原稿なんかい! 白いコマは表現手法ではなく、ただ何も決まっていなくてペンを入れてないだけ。モノローグを入れることで漫画でよく見る雰囲気あるシーンに仕上げていますが、実は締切に追われた作者という生々しい現実が横たわっているだけだったのです。発想とギャップに吹き出すとともに、切羽詰まった感にいろいろうなずいてしまいます。
Twitterでは「くっそ笑った」「締切間近の絵描きあるある」と爆笑と共感を呼ぶ一方で、「逆にこのままでもいいんじゃないか」「表現力さすが」「岡崎体育に通じるものがある」と、モノローグでそれらしい画面に見せた作者の技術に称賛の声もあがっています。画像は3万回以上もリツイートされました。
虚心/夢之国刑務所さんはTwitterで画像について、「決まってないというか、セリフは決まってんだけどいざ絵描いてみたらしっくりこなくて何入れていいかわかんなくなってしまった」「無駄に武内Pがかっこよく描けただけに」と補足しています。惰性で空白になったのではなく、創作上の迷いで筆が止まってしまっているのですね、これもわかる……。

悲鳴をあげるだけじゃないんだぜ
画像が投稿されたのは12月6日。ページが完成したのかどうかはわかりませんが、12日に作者は「俺は諦めない。最後まで闘う。自分を信じてる。勝利を確信している。俺はできる」、13日未明には「命で表紙を削り出す」といったツイートを残しています。虚心/夢之国刑務所さん、冬コミ参加者たち、がんばれ……!
画像提供:虚心/夢之国刑務所さん(@kyoshincats)
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