アサヒカメラの2018年2月号(1月20日発売)に掲載される「嫌われない撮り鉄になるために」という記事がSNSで話題になっています。予告画像によれば「写真好きのための法律&マナー 写真家&元鉄道員の証言、事件から学ぶ教訓」とあります。どうしてこのような企画を掲載したのか、アサヒカメラ編集長・佐々木広人さんに聞きました。

アサヒカメラ2018年2月号「嫌われない撮り鉄」になるために!
この企画は「写真好きのための法律&マナー」は2017年4月号から開始した連載で取り上げるもの。アサヒカメラでは各号で「風景」や「人物」などテーマを定めており、この連載も都度テーマに沿った内容になっています。2月号は「鉄道」がテーマなので、今回の企画もそれに合わせた形となります。

「鉄道と風景」がテーマ
特に、「撮り鉄」に関する問題は2017年に入ってからも深刻なものが頻発しています。鉄道撮影の場所取りを行うために踏切近くに脚立が置かれ、「無断移動・無断撤去は厳禁です」などの張り紙が張られていた大井川鐵道の問題では、鉄道会社が警察に相談する騒ぎとなりました。

大井川鐡道の問題はねとらぼでも取り上げました(関連記事)
写真を撮る人の中でも、鉄道は人気があるジャンル。佐々木さん自身も鉄道の写真を撮ることが好きだそうです。読者にはコンテストに写真を出す人もいるので、マナーが悪い写真にろくなものはないと伝えたかったと言います。「写真の出来とマナーの悪さは反比例する。ホームにたくさんの人が三脚を並べて集まっている風景を見たことがあるかもしれないが、そういうところで撮影された写真はコンテストでは選ばれない」とも語っていました。
さらに、この記事には撮り鉄のためにホームに撮影スポットを作ってくれた鉄道会社の話や、自身も鉄道写真を撮る車掌OBに「駅員は撮り鉄のマナーについてどう見ているのか」の本音インタビューなどが盛り込まれているそうです。
鉄道写真をSNSに投稿すると、肖像権などを巡って撮り鉄同士で争うケースがありますが、なぜこういったことが起こってしまうのかも考えたそうです。一部のマナーの悪い人のせいで自分もマナーが悪い人だと思われることを恐れているのではないか、そのために少しのことで攻撃してしまうのではないだろうか――。「好きなもの同士仲良くすればいいのに、楽しく撮りたいじゃないですか」という言葉が印象的でした。
アサヒカメラ2月号では、鉄道に関する素晴らしい写真もいっぱい盛り込んだ127ページのうちの8ページが撮り鉄の記事。SNSで話題になった「嫌われない撮り鉄になるために」ですが、なぜここだけがクローズアップされてしまったのか戸惑いを感じるとも話していました。
(高橋ホイコ)
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