「火であぶるとペン先の硬度が変わるので、メーカーの立場から言うと、あぶらないのが正解です」――つけペンの製造・販売を手掛ける立川ピン製作所(以下、タチカワ)の公式Twitterが投稿したツイートが、つけペンユーザーの関心を集めています。
Gペンや丸ペンなど、漫画やイラストを描く際に広く使われているつけペン。ペン先に油分が付いていると、ペン先がインクを弾いてしまい、描きづらくなります。そこで、使い始める際にペン先を火であぶることで、表面の油を飛ばし、描きやすくなると言われていました。
ところがここにきて、前述のタチカワによる投稿。数十年も前からメジャーな手法として浸透していたこともあり、有効性を信じていた人たちからは動揺の声が上がりました。
ツイートの反響を受け、タチカワは追加の情報も投稿。「サッと軽くあぶるのは問題ないと思いますが、じっくりあぶるのは錆や硬度が変わる恐れがある為、お奨めしません。もしくはティッシュや布で軽く拭うのが良いと考えております」と、火であぶるよりもティッシュや布の使用を推奨しています。
日本における代表的なつけペンブランドはタチカワ、日光、ゼブラの3種類。その内日光の製品はタチカワで製造されています。ねとらぼ編集部では、残る1つの製造メーカーであるゼブラに、火であぶる是非について尋ねてみました。
ねとらぼ:出荷時、つけペンの先には油分が付いているのですか? 火であぶるメリット、デメリットについて教えてください。
ゼブラ:ゼブラのペン先には、製造工程上、油分がついている可能性がございます。お使い始めのときに、布やティッシュで拭いていただくことでインクがつきやすくなります。しかし、火であぶるという行為は、ペン先の品質を悪くしますので、絶対におやめください。

ゼブラ 漫画用ペン先 Gペン(画像はAmazon.co.jpより)
というわけで、ゼブラ的にも火であぶるのは好ましくないという回答でした。
実は過去にもしばしば、メーカー関係者が火であぶる問題点について言及したことはありました。ただしメーカーとして見解が出るのはまれなため、今回のツイートを機に知ったという人も多かった様子。両社の指摘通り、ライターで加熱するとペン軸が傷みやすくなるため、長く使うためにも、ティッシュや布を使ったメンテナンスが無難と思われます。

タチカワの公式サイトには正しいメンテナンス方法を写真付きで掲載したページも存在します
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