【2023年3月13日追記】本件につきましては、最高裁判所の令和4年3月31日決定により原告側の請求が棄却され、これにより被告が不当表示を行っていたとの主張が第一審、控訴審に引き続き退けられ、ファビウス株式会社(旧株式会社メディアハーツ)の勝訴が確定しています。
「初回630円」だと思って注文したら、実は1万円以上の注文が確定していた――。ネット通販でブレークした人気商品「すっきりフルーツ青汁」の販売方法を巡り、消費者団体が販売元のメディアハーツに対し、表示の差し止めを求める訴訟を起こしていたことが分かりました。


株式会社メディアハーツに対して差止訴訟を提起しました(消費者被害防止ネットワーク東海のサイトより)
問題になっている「すっきりフルーツ青汁」は、これまで累計1億杯以上飲まれているというヒット商品。特徴的なのが「ラクトクコース」という販売方法で、通常は定価3980円のところ、最初の1カ月は定価の84%OFFにあたる630円で購入できるというものです(以下、断りがないかぎり価格は税別)。
しかし、実際には最低4カ月の継続が必須で、1カ月目だけで解約することは不可能。また2回目以降は3480円(12%OFF)での提供になるため、630円だと思ったら実質1万1070円(630円+3480円+3480円+3480円)の契約だった――という消費者相談が相次いでいたそうです。

サイトでは「84%OFF」「630円」といった部分を大きく強調していた(販売ページより)

「ラクトクコース」の仕組み(編集部で作成)
もちろん販売ページ内では「募集要項」として詳細を明記していますが、訴訟を提起した「消費者被害防止ネットワーク東海」はこれを有利誤認にあたると指摘。「4カ月分セットで途中解約はできない」という契約の性質や、「(途中で解約できない以上)初回の支払額のみ低額にする必要性も合理性もまったくない」ことなどから、消費者の有利誤認を招くとして「630円」「84%OFF」などの表記をやめるよう請求しています。

詳細な契約内容については「募集要項」としてページ内に記載(販売ページより)
同団体によれば、「すっきりフルーツ青汁」については以前から相談や情報提供が後を絶たず、各地の消費生活センターにも同様の相談が多く寄せられていたとのこと。同団体では以前からメディアハーツに対し表示改善の申し入れを行っており、メディアハーツ側も一部表記を変更するなど対応はしていましたが、根本的な契約内容については改善がみられず、今回の訴訟提起に至ったとしています。
メディアハーツ側は「今後は裁判でこちらの正当性を主張していく」
編集部では「ラクトクコース」の表示や訴訟内容について、メディアハーツの三崎優太社長にも見解を聞きました。
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