
先日Ubisoftより無料配信された『アサシン クリード オリジンズ』の新コンテンツ「ディスカバリーツアー」において、作中に登場する彫刻が描写規制を受け、乳房や股間が貝のモチーフによって隠されているということを、Rock, Paper, ShotgunやKotakuなどの海外ゲームメディアが報じている。弊誌にて調査したところ、国内版でも同様の規制がされていることを確認している。
「ディスカバリーツアー」は『アサシン クリード オリジンズ』本編の舞台となる古代エジプトの世界を物語に縛られることなく”生きた博物館”として自由に散策することができるという、通常のプレイとは独立したゲームモード。精巧に再現されたプトレマイオス朝末期におけるエジプトの文化を歴史学者や専門家のナレーションによる解説を交えながら、能動的に体験できるという内容となっている。

プトレマイオス朝末期と言えば、当時のエジプトに根付いていた古代オリエント文化と、アレクサンドロス大王の東方遠征によってもたらされた、ギリシャの文化が融合したヘレニズム文化が華やいでいた最期の時代でもある。特に彫刻に関して優れた作品が多く作られ、これまでの左右対称を意識した作品づくりが、人間の動きの一瞬一瞬を捉え空間の広がりを意識した自然主義的な作品作りへとその造形形態を変えたことが知られている。教科書で見たことがあるだろう「ラオコーン」や「ミロのヴィーナス」が作られたのもこの時代だ。『アサシン クリード オリジンズ』の世界でもそれはもちろん例外ではなく、特にアレクサンドリアやキュレネなどギリシャの影響を強く受けている都市を散歩すれば、そこかしこに大理石で作られた美しい石像が立てられていることを確認できる。
しかし残念なことに、一部の石像をよく確認してみると乳房や股間の部分が貝のモチーフによって隠されていることがわかる。付けられたモチーフは作品が持つ雰囲気とは一致しておらず明らかに浮いており、なんともシュールだ。Kotakuは女性の彫刻の姿を「まるでリトルマーメイドのコスプレだ」と記事内で語っており、適切な表現であるといえるだろう。ちなみに彫刻以外の絵画やミイラ制作の描写に関しての規制は無く、また本編のゲームプレイにおいてはこういった彫刻における局部の規制は一切されていない。
何故こういった描写規制をおこなう必要があったのだろうか。パブリッシャーであるUbisoftがKotakuに向けて語ったコメントによれば、あくまでディスカバリーツアーは、古代エジプトの世界を年齢や文化的背景に関わらず体験し、学習してもらうために開発されたものであり、そのため、国によって異なる文化的敏感さや若者を含むさまざまな年齢に合わせた配慮する意図があったとのこと。
このディスカバリーツアーは、「歴史学習のための教材」というコンセプトのもと制作されたゲームモードであり、いかにCERO Z相当の作品であろうとも、万人向けの教育という観点からすれば性的な作中描写に関してはセンシティブにならざるを得なかったのかもしれない。なお、「ディスカバリーツアー」は現在独立した作品としてSteamより販売されており、こちらはMatureタグはついていない。

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