漫画誌『週刊ヤングジャンプ』3月1日発売号で連載が始まった『ボクらは魔法少年』(福島鉄平)が、ヒーローものに憧れていた少年が魔法少女になってしまう奇抜なストーリーでネットで注目を浴びています。8日に「となりのヤングジャンプ」で第1話が無料公開されると、Twitterでタイトル名がトレンドに入りました。

『ボクらは魔法少年』(C)福島鉄平/集英社(試し読みページ)

弱い者いじめを懲らしめるなど“かっこよさ”に憧れては行動に移してきた少年・小田切カイト(11歳)。ある日、男の転校生・海原マコトに呼び出されるや魔法の力を披露され、一緒に街の平和を守る正義の味方にならないか誘われます。快諾して契約アイテムを装着、早速変身してみると、大きなリボンにフリルのスカート、「プリキュア」みたいな衣装に変身。そう、彼がなったのは「魔法少年」という存在。少年ながらも魔法世界で古から伝わるという魔法少女モノっぽい格好で戦う正義の味方だったのです。

てっきりヒーローモノかと思っていたら
「なんだよこのカッコ!!」とカイトは慌てて辞退を申し出るも、功績を認められないと自由になれないと、強制的に魔法少女を続けるハメに。しかも名前は「ときめき(ハートマーク)ピンク」。ファンシーな衣装で人前に現れ、周囲の視線に顔を赤らめながら人助けを始めます。

絶望の底に突き落とされるカイト
少年が女の子衣装を着てイヤイヤながら戦う。『らんま1/2』のようなコメディ感が笑いや萌えを誘いますが、本作の真髄(しんずい)は後半に待っています。
人助けが板についてきたカイトは、一定以上の身体能力の強化や攻撃魔法を出すには、かわいらしい格好に自信を持てる乙女心が必要なことを知ります。キラキラフリフリ衣装なんて気持ち悪い、でもこのままだと弱い人を救えない。そう悩んでいた矢先、一度負けていた不良集団に襲われピンチに。カイトは乙女心という新しい扉を開いて窮地を脱せるのか――待ち受ける衝撃の見開きページに注目です。

不良集団に襲われピンチに。しかし川面に映る自分を見たカイトは……?
「王道の魔法少女モノの役割を少年が担う」というプロットが斬新なだけでなく、ジェンダー問題や“男の娘”要素も絡んでくる設定づくりが秀逸な第1話。Twitterでは「刺さる人には果てしなく刺さる」「すごいものを読んだ」「やめてくれよ…ストライクゾーン広がるだろ…」「ちょっとこれは最高すぎなのでは???」と評判を呼んでいます。


福島鉄平さんの代表作『サムライうさぎ』『アマリリス』
また作者の福島鉄平さんは、2007年〜2008年に少年漫画誌『週刊少年ジャンプ』で『サムライうさぎ』(全8巻)を連載したことでも知られており、題材の違いに「10年後にこんな作品を描くとは思わなんだ」「当時から想像もつかない形に羽化を果たした」など驚く人が続出。福島さんは連載終了後は『アマリリス』など短編で女装男子を扱っており、ファンからは「ついに全開な感じの作品で新連載もぎ取ったの感慨深い」といった喜びの声もあがっています。
(C)福島鉄平/集英社
(黒木貴啓)
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