昭和の竜宮城とも呼ばれた歴史ある建造物「ホテル雅叙園東京」(東京都目黒区)の百段階段で開催されている「猫都(ニャンと)の国宝展」(2018年3月29日〜5月13日)に行ってきました。

例年より早く桜が咲き誇る3月下旬。目黒川の桜の花びらが舞い散る中に佇む「ホテル雅叙園東京」は、建物そのものがまるでアート作品のようです。同展の開催場所で、東京都指定有形文化財でもある「百段階段」のエントランスで出迎えてくれたのは「昌運招福猫仏」。猫の国「猫都(ニャンと)」の世界へ私たちをいざないます。

昭和の趣きを残す百段階段。その名の通り100段ある階段の途中には、その昔、晴れやかな宴が行われた7部屋の「間」が広がります。その伝統ある空間で展示される、時代やジャンルを超えた猫のアート作品。古今東西の作家たちが創り出した“国宝級”の猫作品と、百段階段の華麗なる共演が見どころです。


十畝の間
信州瑠璃寺所蔵「薬師猫神様」、東京心光寺所蔵「猫がいる涅槃図」といった猫をモチーフにした仏像・仏画が展示されている「十畝の間」。寺の宝として大切に所蔵されている貴重な作品が見られます。


漁樵の間
百段階段屈指のきらびやかな部屋「漁樵の間」に展示されているのは、技と心をあわせ持つ凄腕アーティスト入魂の作品たち。過去と現代、人間社会と猫社会が交錯したシュールレアリスムと驚きの世界が広がります。


草丘の間
世界に誇る日本の宝・浮世絵や、おもちゃ絵が猫と共演する「草丘の間」。猫好きでも知られる歌川国芳の貴重な猫の浮世絵や、浮世絵を愛する現代アーティストたちの独自の浮世絵作品が見られます。


静水の間
江戸時代末期、浅草辺りで生まれ、人々に福を招き続ける日本独特の縁起もの「招き猫」。「静水の間」ではそんな「招き猫」が斬新なアート作品となって、見るものに福を招きます。


星光の間
愛猫家として知られる日本の芸術家たちを紹介する「星光の間」。猫先生と呼ばれた大佛次郎や河村目呂二の貴重な作品や、廃棄される文庫本から著者のオブジェを制作する古本選堂の「文豪と猫」張り子シリーズが展示されています。


清方の間
さまざまなジャンルのアートクラフトの猫作品が展示されている「清方の間」。陶芸、立体造形、羊毛アート、張り子、墨絵、木工などで表現される猫作品に、アートの奥深さや豊かさを感じられます。



同展では特別企画としてリレー古典「第8の間」も開催。陶芸・絵画・人形・イラストレーションなどの作家の個展が週替りで開催されます。会期中は作家も多く在廊しており、直に創作の秘密やこだわりなどが聞けるかもしれません。
また、「猫尽くしアートマーケット」「猫グッズマーケット」では、新鮮でわくわくする猫アートや、猫をあしらった小物など、猫好きな方へのお土産にピッタリな作品やグッズを購入できます。




昔から多くの人々に愛され親しまれる「猫」。総勢約40人のアーティストによる累計総数800点以上(リレー個展分含む)の作品に触れ、猫の新たな魅力や愛される理由に気付かされるかもしれません。

「猫都(ニャンと)の国宝展」
開催期間:2018年3月29日〜5月13日
開催時間:10時〜18時(最終入館17時30分)
会場:「ホテル雅叙園 東京」東京都指定有形文化財 「百段階段」
入場料:当日/1500円 前売/1200円 学生/800円(要学生証提示) ※小学生以下無料
販売窓口:ホテル雅叙園東京、ローソンチケット、セブンチケット、JTBレジャーチケット(セブンイレブン、ローソン、ファミリーマート、サークルKサンクス)、イープラス(インターネット)
(あだちまる子)
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