京王電鉄は5月8日、鉄道事業の安全性とサービス向上を図る2018年度の設備投資計画を公表しました。
2018年度は総額予算237億円を投じ、笹塚〜仙川間の連続立体交差事業、下北沢駅の京王線専用出口新設、新宿駅ホームのエレベーター増設、ホーム安全対策の強化、インバウンド対応、車両への新型「VVVFインバータ制御装置」導入など、「安全性向上」「サービス向上」「環境対策」の3テーマに沿った事業や設備を強化します。
京王線 笹塚駅〜仙川駅間の高架化事業を推進
京王電鉄は、事業主体の東京都、東京都世田谷区、渋谷区、杉並区と共同で、京王線笹塚駅から仙川駅間約7.2キロの区間を連続立体交差とする大規模事業を推進中。途中駅の代田橋、明大前、下高井戸、桜上水、上北沢、八幡山(高架化完了済み)、芦花公園、千歳烏山とその区間を全て高架化するとともに、区間内25カ所の踏切を廃止する計画です。
2018年度は工事に必要な用地取得を進め、工事ヤードの整備を行います。

ホームドア、転落防止柵の整備
2018年度は新線新宿駅と渋谷駅のホームドア設置を済ませ、飛田給駅のホームドア設置に着手します。また、他事業の進捗に合わせて、下北沢駅と明大前駅の設置準備も進めます。下北沢駅は2021年度の使用開始を目指し、小田急線複々線化事業に伴う改良工事後に着手。明大前駅は前述した連続立体交差事業に合わせて整備する計画です。
このほか、転落防止固定柵を東府中駅へ、ホーム縁の転落防止ゴムを聖蹟桜ヶ丘駅に設置。計15の駅にホーム縁の視認性を高める注意喚起ラインも施工します。




下北沢駅小田急線交差部の橋架け替え、井の頭線専用改札口を新設
下北沢駅では、小田急線の連立複々線化事業にあわせ、地下駅化した小田急線下北沢駅上交差部の橋(約37メートル)を架け替える工事が進みます。また、構内トイレ、井の頭線専用改札口などの駅施設も新たに設けます。


訪日外国人向けサービスを拡充、他言語案内、便器も和式→洋式へ
2018年度は、駅係員向けに「他言語案内拡声装置」「翻訳アプリ入りスマートフォン/タブレット」の配備を進めるほか、車両設備、駅設備の他言語化も進めます。
他言語案内拡声装置とは、事故発生時や自然災害時など異常時、緊急時対応のために、4言語(日本語、英語、中国語、韓国語)の放送メッセージを収録したメガホン型装置「Mega Speak」のこと。橋本駅など9駅に設置駅を拡大します。

このほかに外国語対応の車内自動放送装置や4言語対応券売機の置き換えも推進。また、各駅の便器も和式から洋式へ随時刷新する計画です。

国際スポーツイベントへの対応
2019年のラグビーワールドカップ、2020年の東京オリンピック・パラリンピック開催に備え、会場となる「東京スタジアム(味の素スタジアム)」「武蔵野森総合スポーツプラザ」の最寄り駅となる飛田給駅と、飛田給駅への主要アクセス駅となる新宿駅に「大型エレベーター」を増設します。新宿駅には1・2番線ホーム上に増設予定としています。


【訂正:2018年5月8日19時30分 初出時、「仙川」駅の表記に誤りがありました。お詫びして訂正いたします】
【訂正:2018年5月9日13時00分 初出時、連続立体交差事業の途中駅表記に「下高井戸」が抜けておりました。お詫びして訂正いたします】
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