ライドシェアサービス大手のUber Technologies(以下、Uber)は5月22日、兵庫県淡路島で2018年夏から同社の配車アプリを用いたタクシー配車サービスの実証実験を行うと発表しました。
実証実験は地元のタクシー会社、兵庫県淡路県民局と連携して展開します。試験サービスを2018年夏に開始し、2019年3月31日まで検証予定。原則として淡路島内での乗降車(島内乗車、島外降車も可能)をサービス区域とし、利用者がUberの配車アプリから母国語で目的地を指定し、地元のタクシーを配車できるようにします。



淡路島での配車アプリ利用イメージ。アプリから乗車場所、降車場所を指定して配車依頼。運賃はアプリを通じてクレジットカードで支払う
同社は京都府丹後市などでボランティアによる自家用車を用いたライドシェアの実証実験を行っていますが、タクシー会社が参加する検証は今回が初。Uberが海外で既に広く展開する自家用車を用いたライドシェアサービスは、日本ではいわゆる「白タク」と呼ばれる違法行為となり、また規制緩和の動きにもタクシー事業者の反発があり、2018年5月現在サービス展開には至っていません。
そこで日本では、営業免許を持つタクシー事業者の車両を用いた配車サービスで同等の顧客体験を提供する流れが進んでいます。例えば、一部で展開するUberの「uberTAXI」のほかに、タクシー事業者大手の日本交通が中心となった「全国タクシー」、LINEで呼べる「LINEタクシー」などがサービスを展開しています。
今回の実験では、淡路島の課題とする「二次交通(高速バスや高速艇などで来島した人の島内移動手段)の手段が少ない」ことに対し、600以上の都市、50以上の言語に対応するUberの配車アプリによって、言葉に不慣れな外国人旅行者や土地勘のない来島者、また地元の高齢者などが簡単に島内を移動できるようにする手段を拡充し、実績を積むのが狙い。この実証実験を踏まえ、タクシー・ハイヤー事業者に向けた配車システムの提供から大都市圏での事業拡大を図っていく考えです。
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