FIFAワールドカップが盛り上がっている。日本も決勝トーナメントに進出し、さらなる盛り上がりを見せたが、接戦の末敗退。しかし勝ち進んでいる各国による熱戦が今もロシアでは繰り広げられている。

渋谷やスポーツパブはもちろんお祭り騒ぎだが、その陰で静かに沸く場所がある。北海道小平町、そう「ラビオくん」が水揚げされた地である。
ミズダコのラビオくんは6月19日に水揚げされ、日本戦の結果の占いを託された。予想は早い順に「勝ち」「引き分け」「負け」で見事的中。各種メディアで取り上げられ(既に出荷済みというオチとともに)一躍有名になった。
※ちなみに「ラビオ」は「小平(おびら)」を逆から読んだ名前とのこと。
この占いがなければラビオくんも一般タコ(≒一般人)だったはず。「たまたま」で片付けるにも、完全に勘で3択を3回当てる確率は1/3の3乗で3.7%。やはりラビオくんは奇跡のタコなのか……?
発端は8年前
「動物に結果を占わせる」ブームのそもそもの発端は、2010年南アフリカ大会の「パウル」だろう。ドイツの水族館で飼われていたマダコで、ドイツ戦7試合と決勝戦の全8試合を完全的中させた。
パウルの予言は「勝つ国」を当てる2択だったので、確率は1/2の8乗で0.39%。確かにサッカーのことを知っていると信じたくもなる。
この8年前のパウル効果がラビオくんにつながっている訳だ。思えばW杯のたびに似たような話が出る気が……と調べてみると、2014年にも各地で予言が行われていたようである。
するとこんな疑問が浮かぶ。ラビオくんもまた、たくさんの予言者のうちの1匹にすぎなかったのでは?
ラビオくん候補がたくさんいたら
上で書いたように、3試合の勝ち・引き分け・負けが勘で全て的中する確率は3.7%。
逆に96.3%はどれかを外すわけだが、予言者が複数いる場合、その全員が外す確率は下がる。具体的に計算してみると、10匹なら68.6%、50匹なら15.2%で、100匹まで増やせば2.3%まで下げられる。
日本にW杯を予想したタコが100匹もいるとは思わないが、候補生がたった10匹でも全的中させるタコは3割方現れるということ。めちゃくちゃ野暮なことを言っているが、案外スゴくないのでは……。

予言が勘だと決めつけてしまった場合、困るのは的中が続いて注目され始めたときである。次の予想も結局は確率なので、外れると「あれ?」となる。
しかし、ラビオくんは既に(多分)誰かの胃の中。決勝トーナメントの初戦は生きのいい2代目が予言することになった。2代目にはプレッシャーを感じず予想をしてもらいたいと、ロシアだけでなく、北海道にも注目が集まった。7月2日、2代目の予想は「日本の勝利」!
そして結果は……?
日本時間7月3日午前3時から行われた対ベルギー戦は、前半をスコアレスで折り返すと、後半は立て続けに2点を先制。予想通りか……? と思われたが、その後まさかの3失点で無念の逆転負け。日本代表、そして2代目ラビオくん、お疲れさまでした。
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