小田急箱根グループが箱根エリアに総額100億円規模の大型投資を行うと発表しました。

芦ノ湖の海賊船が新しく建造される デザインは水戸岡鋭治氏
箱根といえば、箱根登山鉄道、ケーブルカー、ロープウェイ、遊覧船、登山バスといろいろな乗り物を乗り継いで周遊できる交通ファンにとってうれしい場所です。小田急は箱根エリアの魅力をより高めるべく、新型海賊船、新型ゴンドラの建造、早雲山駅の駅舎改良などを手掛けます。
新型の「海賊船」は水戸岡鋭治氏デザインに
芦ノ湖の遊覧船「箱根海賊船」は2018年8月現在3隻が運航しています。今回の投資で新たに建造される海賊船は歴代7代目に当たります。内外装のデザインは水戸岡鋭治氏が代表を務めるドーンデザイン研究所です。
水戸岡鋭治氏はJR九州など、全国数多くの鉄道車両のデザインを手掛ける工業デザイナー。豪華クルーズトレイン「ななつ星in九州」(関連記事)など、インテリアに木材や地域の伝統工芸品をふんだんに盛り込んで表現する斬新なデザインが印象的です。今回の新型海賊船も、温かみのある木材を床から天井まで贅沢に使い、調度品も細部までこだわってクラシック感を演出します。船体は黄金色となります。

木材をぜいたくに使った内装に

黄金色できらびやかな船体に
現在使われている海賊船は、「ロワイヤルII」がフランス艦隊の戦艦、「ビクトリー」が英国の戦艦、「パーサ」がスウェーデンに現存する戦艦と、なにがしかがモデルになっています。しかし今回の新型海賊船にモデルはなく、全くのオリジナルでデザインされるそうです。


新型海賊船は2019年2月に進水式、同年4月に就航の予定です。
ガラス面が広い「新型ゴンドラ」の導入
箱根ロープウェイでは、ガラス面を広げた新型ゴンドラを導入します。眺望が良くなり、大桶谷の絶景もさらによく見えるようになるそうです。また、扉開口部も大型化して乗り降りしやすくします。
新型ゴンドラは、現行と同じスイスCWA社の最新型「TARIS(タリス)」を導入。日本では初導入となり、2021年4月に営業開始予定です。

スイスCWAの「TARIS」を導入

開口部が広くなり、2人一緒に乗り降りできる

ガラス面が広がり、パノラマビューがより楽しめるように
「早雲山駅」を改修 眺望を楽しめる足湯付きテラスを設置
箱根登山ケーブルカーと箱根ロープウェイの乗換駅である早雲山駅。現状はちょっと寂しい駅舎ですが、これが大きく生まれ変わります。
まずケーブルカー駅舎とロープウェイ既存駅舎を一体化してバリアフリー化を進めるとともに、明星ヶ岳や相模湾を一望できる「足湯付きテラス」を設置します。

早雲山駅は眺望が楽しめるテラスのある駅へ生まれ変わる

テラスには足湯が設置予定

明星ヶ岳や相模湾を一望できる
小田急電鉄は「ただの乗換駅ではなく、ちょっと立ち寄ってもらえる場所にしたい」と話していました。


鉄道、ケーブルカー、登山バスも車両更新
箱根登山鉄道には、最新車両3000形の「アレグラ号」が追加導入されます。また、2000形は空調装置の搭載場所を室内から屋根上に変更し、車内空間を広げます。

3000形 アレグラ号
小田急による箱根エリア大型投資は全13項目と大々的に行われ、車両の更新や駅の改修など箱根のあちらこちらで改修が進められます。

車両の更新などがめじろ押し
これらの大型投資の背景には何があるのでしょうか。小田急電鉄は「外国人観光客増加への対応、そして関東だけではなく中部や関西のお客さまにも来ていただきたいと考えています。来ていただいた際に楽しんでいただけるよう、少しずつ整備を進めていきます」と話してくれました。
(高橋ホイコ)
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