深層学習(ディープラーニング)で2次元美少女キャラクターをワンクリックで自動生成するサービス「MakeGirlsMoe」を2017年に発表し、日本のオタク界をざわつかせた金陽華(Jin Yanghua)/@Aixileさん。最近では写真を深層学習で2次元絵にしてしまう技術を発表したことでも注目を浴びました。

金さんはさらに、深層学習により生成されたキャラをトレードできるゲーム「Crypko(クリプコ)」の開発にも参加。5月にはベータ版が公開され、野心的なゲーム内容が一部から注目を集めていました。
先駆的なアイデアで立て続けにオタク向けサービスをリリースしてきた金さんは一体何を目指しているのか? 2016〜2017年まで京都大学に交換留学生として在籍し、今年(2018年)6月に上海の復旦大学を卒業した金さんに、開発背景や中国と日本の環境の違いなどについて聞いてみました。
理想は、実写映像をアニメに変換すること
――金さんは現在中国で研究しているそうですが、日本の環境とはどのような違いがありますか。
金:深層学習をやる人は日本より中国が断然多いです。復旦大学では周りはみんなコンピュータビジョンと自然言語処理をやっている感じですが、2年前に初めて京都大学に行った時は深層学習をやってる教授がほぼいないことに驚きました。でも研究室の雰囲気は日本のほうが好きですよ。
――先日、2次元キャラを生成する技術を発表した動画が各国のサイトで翻訳されニュースになっていましたね。写真から2次元にしようと思った理由は?
金:「MakeGirlsMoe」のようにユーザーの要望に応じて属性からキャラを作るのは難しいんです。でも、写真からであればユーザーが要望指定するより簡単に変換できるかなと思って、開発を始めました。
――現在は美少女に限られていますが、今後は男性やロボットなどのアニメキャラも作れるようになりそうですか?
金:実際にまだ全ての画像を安定変換できる段階ではないです。写真のポーズにも依存しています。機械学習ベースの手法ですから、モデルを訓練するための高品質なデータセットがすごく重要になります。男性やロボットも、理論上は実現可能かもしれませんが、現実的にはどのように高品質なデータセットを作るかが一番難しいと思います。

写真から2次元キャラに
――今後この技術をどのように発展させていきたいですか。
金:今までのプロジェクトと同じように、人工知能でユーザーが創作活動に手軽に参加できるようにしたいです。難しいですが、この技術を「映像→アニメ」の変換に発展させるのが理想です。
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