2018年夏のコミックマーケット(C94)で、同人誌頒布の取引に電子決済を採用したサークル「湊町メディアシステム」がTwitterで注目を集めました。クレジットカードや電子マネー、QR決済と、幅広い決済方法をカバー。パッと思いつくものなら全て使えると言っても過言ではないほどでした。
来場者のツイートで広く知られることに
同サークルは2006年の発足以来、主にクレジットカードの研究をしています。それだけに、イベントではVISA、MasterCard、JCB、AMEX、DINERS、DISCOVERでの決済に対応。電子マネーは交通系のほか、楽天Edyとnanaco、iDとQUICPayに対応。QR決済もPixiv PayやSma-sh pay、楽天ペイなどに対応しており、同人誌サークルとしては過剰とも思える充実ぶりです。

この方針はどのように始まったのか、編集部はメンバーのsyncさんに詳細を聞きました。電子決済を始めたのは、サークルの研究対象とマッチしていたことが第一の理由。イベント会場にカード会社や電子マネーのロゴが出ていたら、ネタとして受けるかな? といった目算もあったそうです。
初めて電子決済に対応したのは、2012年11月18日の「文学フリマ」に参加したときのこと。その当時PayPalがソフトバンクと提携して日本で始めた、クレジットカードのスマホ決済「PayPal Here」(現在は日本から撤退)を利用したもので、同年の冬コミでも使用したそうです。
2013年1月には楽天スマートペイ(現在の楽天ペイ)、同年8月にはSquareを導入と、他の決済方法にも続々と対応。2014年の冬コミからはヤマトフィナンシャルの汎用決済端末レンタルを利用し、各種電子マネーにも対応するようになりました。2017年の夏コミ以降は、楽天ペイの電子マネー決済を利用しているそうです。

あれだけの決済方法に対応していると、各種端末がスペースを取って大変そうですが、決済自体はタブレット端末のアプリで行っているため、そこまで場所は取らないとのこと。カードリーダーは小さい物だと1辺5センチの立方体、大きい物でもモバイルルーター程度だそうです。
大変なのは、安定した通信の確保。決済は全て携帯電話の電波を通じて行うため、コミケのように電波状況の悪い環境では、特に混むお昼前後に一部の決済方法で通信が通らなくなることがあるそうです。また、多数の決済方法を導入したため、端末の操作方法を売り子に全て説明することができず、トイレなどで離席する際は現金決済しかできなくなるのだとか。
C94当日、サークルからの発信
電子決済の利用状況は60%程度と、過半数の購入者がキャッシュレスで決済していることに。1番使われているのは交通系電子マネーで、近年ではPixiv Payなど、QR決済の利用者も増えているとのことでした。
湊町メディアシステムは、2018年の冬コミ(C95)への参加も申し込み済みです。当選した場合、また膨大な決済関連のロゴが見られそうです。
画像提供:湊町メディアシステム
(沓澤真二)
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