6年ぶりに再会したかつての恋人同士を描いた短編作品「鯖とコーヒー」を、漫画家の奥香織(@okukaori1124)さんがTwitterで公開しました。2人の距離感を、絶妙な“間”で描いています。
見開き込みで全18ページ(続きは連鎖ツイート)

「長い間待たせてごめん」と健治が訪れたのは、昔ながらの静かな喫茶店。奈央子は長らくの疎遠をとがめずに、会えて良かったと再会を喜んでいます。そんななか、健治が言いよどみながら口にした言葉は、「婚約おめでとう」。奈央子は一瞬、複雑な思いを表情に見せながら、元恋人からの祝福を受け入れました。




少々気まずい空気が流れたとき、奈央子が注文していた、サバの塩焼きとブレンドコーヒーを店員が持ってきました。不思議な組み合わせながら、彼女にとっては昔からのお気に入りの様子。これをサカナに、2人は交際していた6年前の思い出を語り合います。


すると突然、健治は「おれたちが付き合っていたことを、ヒロムは知っているのか」と問います。奈央子と婚約者のヒロムは、健治も一緒のサークル仲間だったのです。しかし奈央子は「もう昔のことだから」と話題を打ち切り、2人の別れを振り返ります。



実は6年前、健治はエベレストの単独登頂に挑戦していました。そしてそのころ、奈央子は彼の子どもを身ごもり、流産していたのです。重大な事実を初めて知らされ、健治はうろたえることに。



「私だって健治を待てなかった。結局、合わなかったのね」と別れた要因を語る奈央子に、健治は反論。自分は登頂を成功させて日本に帰ったらプロポーズするつもりだったと告白します。ただし、「滑落するその瞬間まで」は……!? では、ここに無事でいる健治は何者なのか。

健治はあらためて、「おれと一緒に来てくれよ」と告白しますが、奈央子の返事は「無理よ」。現実を受け入れた健治は、「一度くらいサバとコーヒーを一緒に食っとけばよかった」と語りながら、奈央子の幸せを願うのでした。



「ありがとう。健治もゆっくり眠ってねー……」と、奈央子が言った先には誰もおらず、コーヒーが湯気を立てるのみ。彼女はヒロムからの着信を受けると、「健治の遺体が“昨日”発見された」ことを伝えるのでした。つまり、奈央子は喫茶店に、ずっと1人でいたのです。きっと、健治への思いを整理するために、脳内に彼を描きながら。

微細なタッチで男女の機微を描き、意外なラストで重い読後感をもたらしたこの漫画。作者は「やわらかスピリッツ」にて、「ゼロから始める事故物件生活」を連載中です。
お笑い芸人・松原タニシさんの体験を漫画化
作品提供:奥香織(@okukaori1124)さん
(沓澤真二)
コメントランキング
「FNS歌謡祭 第1夜」であなたが良かったと思うアーティストは?【人気投票実施中】(投票結果) | 音楽 ねとらぼリサーチ
今川焼? 大判焼き? あの“円形の厚焼き和菓子”の名前は? 47都道府県別・呼び方の勢力図を公開!(投票結果) | グルメ ねとらぼ
「ベストヒット歌謡祭2025」で良かったアーティストは?【人気投票実施中】(投票結果) | 音楽 ねとらぼリサーチ
2025年「NHK紅白歌合戦」の「白組」出場歌手で楽しみなのは?【人気投票実施中】(投票結果) | 音楽 ねとらぼリサーチ
岩手県の「おいしいお土産」10選! 一番うまいと思うのは?【人気投票実施中】(2/2) | 岩手県 ねとらぼリサーチ:2ページ目