当事者でないとなかなかつらさが分からないアトピー性皮膚炎。そんなアトピーの精神的・肉体的つらさを説明した漫画が分かりやすいとTwitterで評判です。
※【追記】投稿者の意向により画像を取り下げました。それに伴い、本文を一部改めさせていただきました。
自身もアトピーだという投稿者は、アトピーによるかゆみを「全身を蚊に100カ所以上刺されて身体中が熱を持ってパンパンになったような状態」と表現。当事者ではないとつい「かくのを我慢すればいいじゃん」なんて思ってしまいそうですが、よるのねこさんは「かゆくてかいてしまう病気」なのだと強調します。
かゆい所をかくと皮膚が傷ついてデリケートな状態になる上、刺激によってさらにかゆみを感じる物質が放出されます。どんどんかいてしまう「かゆみのスパイラル」が発生するため、我慢しようと思ってできるものではないのです。
症状は心とも深く関わっているので、「宿題やった?」なんてちょっとしたストレスを感じた拍子にも、かゆみがでることがあるのだそうです。厄介なのはリラックスすれば大丈夫というわけでもないということ。落ち着いているときにも突然かゆくなることはあるそうです。
また、アトピーには、かゆみや傷ついた皮膚の痛みという身体的なつらさだけではなく、精神的なつらさも伴います。皮膚の状態は見た目にはっきりと現れ、他人から奇異の目で見られることもあり、精神的な負担も大きくなります。ただでさえ日々完治が難しい病気と向き合っているのに、他人から「不快」だと言われたら、それは人格を否定されているように感じてしまいます。
そして、最もつらいのはアトピーが恋愛や人間関係にまで影響を及ぼしてしまうこと。自分の肌を気にして恋愛に臆病になったり、他人から傷つく言葉を投げかけられたり、いじめられたり……。作者は、症状がほぼ出なくなった今でも「アトピー」という言葉には過剰に反応してしまうことが多いそうです。
漫画を読んだ読者からは「自分もそうだった」「アトピーについて少し理解ができた」など共感の声が上がっています。作者は、当事者にしか分からないことがあったとしても、「だからこそアトピーに関する理解を深めてもらい、根拠のないいじめが無くなってほしい」という願いを込めて漫画を公開したと伝えています。
文:林美由紀/監修:近畿大学アンチエイジングセンター近畿大学医学部奈良病院皮膚科 山田秀和
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