「子どもができて初めて知った」という声も。
いつ頃から広まった?
370方式は、平成4年(1992年)の「学校保健法施行規則の一部を改正する省令」で、
『学校における視力検査の特性にかんがみ1.0、0.7、0.3の3指標により判定して差し支えない』
と記述されたことにより、徐々に広まっていきました。
宮浦氏によれば、現在では小学校のほとんどが370方式を導入しており、幼稚園、中学校、高校、大学の多くでも採用されているとのこと。
ちなみに、今でも0.1刻みで測定している学校もありますが、その場合でも文部科学省に結果を報告する際には、A〜Dの表示に直して報告されているそうです。


ただし、幼稚園から大学まで一律の基準で検査をするということに、まったく懸念がないわけではありません。幼稚園の狭い教室と、高校の広い講堂などを考えた場合に同じ基準で本当にいいのか、といった意見も見られると言います。
また、小学校などでは視力を考慮して席を替えてもらうなどの対応ができても、成績順に並ぶ塾や予備校などでは、そうした対応が取られづらいという事情もあります。
「370方式は必ずしも完璧な方法というわけではないが、しかし教育現場の実情に即したやり方という意味では一定の評価ができるので、広く採用されている」(宮浦氏)。
ますます「子どもの目が悪くなる時代」に
近年、子どもたちの視力が落ちていると言われています。370方式で「正常な視力」とされるのは「A」ですが、既に中高生の視力では「B以下」が半数を上回るというデータも。
その原因として考えられるのは、PCやスマホなどの長時間使用による近視の増加。「近視になってもメガネやコンタクトで対応できるのでは、と思われるかもしれないが、近視が進むと大人になってから網膜の病気や緑内障になりやすいことが分かっている」(宮浦氏)
今後、タブレット端末型教科書の導入など、子どもたちを取り巻く視環境はさらに変化していくことでしょう。宮浦氏によれば、戸外で活動する時間を増やすことが、近視の予防につながることが知られているそうです。
近視進行を抑制するさまざまな研究が、日本の多くの施設で盛んに行われています。こうした研究の成果と、大人や子どもたち自身の意識付けによって、目の健康が適切に守られていってほしいものです。
