年賀状といえば、お正月の風物詩。はがきで送る人は減っているようですが、メッセージングアプリなどで新年のあいさつを送っている人はまだまだ多いのでは?
このような慣習の歴史は古く、約1000年前にはすでに“書き方紹介ブック”も現れていたのだとか。今回は年賀状の雑学をご紹介します。

解説
“日本最古の年賀状”として知られているのは、平安時代の文人・藤原明衡(あきひら)が著した「明衡(めいこう)往来」という手紙の模範文例集に掲載されている文章。明衡の没年は1066年とされており、今から約1000年前には新年のあいさつを書いた手紙の文例が存在していたことになります。
ただ、年賀状が一般化したのは、郵便制度がスタートした明治時代以降といわれています。書くタイミングは現在と違っており、明治時代の一般家庭では、親族、近所の人などと顔を合わせる「年始回り」を済ませてから、年賀状を書く場合が多かったそうです。
郵政研究所付属資料館によると、年賀状が普及した背景にあるのは交流関係の拡大。社会の発展に伴い、直接会うことが難しい人が増えていくなかで、人間関係を維持するために広く利用されるようになったといいます。「年賀状=年始回りの代わり」と捉えると、お正月に書くのはむしろ自然なのでは?
逆に考えると「年賀状=正月に届くように、年末からはがきを用意するもの」という現代の認識は、ちょっと不思議かもしれません。「明けましておめでとう」などと書かれたはがきを、年が明ける前から準備しているわけですから。
主要参考文献
- 年賀状の歴史と話題(郵政研究所付属資料館)
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