淘汰されないために。
TikTokが生み出した「14億人総バイヤー」の時代
一方、こうしてモノを販売する影響力を持っているのは、番組に出られるレベルのタレントだけではない。
「昨年の“双11”前に、TikTok、Kuaishou(快手)、Miaopai(秒拍)、といった短尺動画アプリが、一斉にEC機能を追加しました。動画をクリックするとTaobaoが開いて、出ている子が使ってるコスメや服が買えるように」
“双11”というのは、11月11日のこと。中国では11月11日を「独身の日」とし、独身者がリア充への腹いせに自分にご褒美を買うというネット文脈からきた風習であったが、そこに目をつけたアリババグループが2009年に大規模セールを開始し、現在ではオフライン・オンライン問わず年の一大商戦の日となっている。
編注:米Bloombergの報道によると、アリババの2018年「独身の日」セールの取引額は約3.5兆円に上る。一方日本国内では、楽天の「2017年度」国内EC流通総額が約3.4兆円とされている
短尺動画アプリへのEC機能追加が画期的なのは、これまでのライブコマースは「ものを売るための動画を上げる」だったのに対し、既にファンがついているアイコンが「動画を上げるついでにものを売る」スタイルが実現できるようになったこと。InstagramのEC機能のモチベーションに近い。ユーザー同士のアフィリエイト機能もあり、自分の売りたいものの宣伝を友達に手伝ってもらうこともできる。(注:現在、電商法の影響でこの機能はまだ普及しておらず、試行錯誤中だと伺える)
「日本では今副業解禁がトレンドになってますけど、中国の子たちは10代のころからECサイトでモノ売ってたりライブ配信で課金収益を得ていたりする。副業かそうじゃないかという区別も概念もそもそもない」
インターネットが生んだトレンドが、若年層の今後の働き方にまで影響を及ぼしている。
「どこの国とか関係ない」
2時間たっぷりと中国トレンドを紹介してくれたなつよさん。彼女が本編の最後に提示したメッセージは、こうだった。

「インターネットによって世界はますます1つになっている。今日は中国でのトレンドを中心に話しましたけど、もうどのサービスがどこの国とかユーザーがどこの国とか関係ないんですよね。どんどんメディアミックスされて統合されていくからこそ、“世界”を軸にして考えないといけない。TwitterでもYouTubeでも、新しいものを見て、視点を広げて磨くようにするのが大事。ちょっとずついろいろなものを摂取して、淘汰されないようにしてほしい」
イベント中は参加者による実況も盛り上がり、ハッシュタグ「#なつみれ中国」がトレンド上位入りするほどの盛況を見せた。なつよさんのトレンドウォッチを今後も追いかけたい人は、ぜひ彼女のTwitterもチェックしてみよう。