文化庁が「ダウンロード違法化」において、静止画(漫画など)やテキストも対象範囲とする方針に対し、日本マンガ学会が反対声明を出しました。「一般ユーザーの萎縮を招き、研究・創作を著しく阻害する最悪の結果となることが予想される」と、厳しい意見がつづられています。

ダウンロードの違法化は、映像と音楽を対象に2012年に始まり、「違法にアップロードされたものと知りながらコンテンツをダウンロードする行為」に罰則が設けられました。このとき静止画とテキストは対象外となりましたが、その後コンテンツ業界の要望や、海賊版サイト問題を受けて、文化庁は静止画のダウンロード違法化を検討。文化審議会著作権分科会法制・基本問題小委員会が2018年10月から議論を行ってきました。
そして同年12月7日、議論の中間報告として「ダウンロード違法化の対象範囲の見直しに関する論点整理(案)」が公開。「著作物の種類・分野による限定を行うことなく、広くダウンロード違法化の対象範囲に含めていくべきとの方向性については、概ね共通認識が得られた」――つまり、静止画などを含むあらゆる著作物を対象範囲とする方針が記載されています。

文化庁の資料(傍線部は編集部で加工)
これに対して、日本マンガ学会は下記の問題点を指摘。主に、研究や創作が阻害される可能性を懸念しています。加えて、「著作物の享受や消費行為が、新たな著作物を創造する『生産行為』でもありうる点が考慮されていない」と、文化庁の方針を批判。特に日本の漫画文化はこうした「生産行為」を基礎として発展してきたと述べ、静止画のダウンロード違法化に反対しています。
- 合法とは言い切れない二次創作のダウンロードまで禁止することで、海賊版研究や二次創作研究が阻害される
- 参考用の図版や資料の入手まで「違法」とするのは、研究や創作の萎縮を招く
- 動画や音楽と異なり、静止画や文章は違法にアップロードされたものであるか判断が難しい
- 「漫画村」のようなストリーミング方式の海賊版はまったく取り締まることができない。むしろ一般ユーザーを萎縮させ、研究・創作を著しく阻害する最悪の結果となると思われる
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