漫画家・花沢健吾さんが『ビッグコミックスペリオール』で連載中の新作漫画『たかが黄昏れ』が不思議な世界観でじわじわと注目を集めています。主人公は「まだ『男』を知らない女子高生。」ってどういうこと……?

制服にはだし姿で干潟に這いつくばっている「ひなた」は、大人に憧れる女子高生。制服がぬれることもいとわず、いくつかの穴に“仕掛け”をして「穴ジャコ」を採っているようです。同級生2人とともに30匹近い穴ジャコをGETしたひなたたちは続いて「マテ貝」に狙いを定め、砂浜に空いている巣穴に塩を掛けていきます。








すると、巣穴の塩分濃度が高まったことに驚いたマテ貝がピュッと飛び出してきますが、それを「まった」と採らせないひなた。同級生の一人はけげんな顔で何かを言おうとするひなたを「ダメっ!!」と制止します。




「まだ何も言ってないでしょ」と不満げなひなたですが、結局口に出せないならと筆を取り、「別けて書けば問題ないでしょ」と砂浜に何かを書き始めます。



まず書きあがったのは「田」。そして「こんぐらい離せばいいでしょ」「近すぎない?」「ちょっとぉ やめなよっ 犯罪だよっ!!」ともめながら次に書かれたのは「力」。砂浜には不格好な「男」という文字が現れました。


「ヤバイよ これは」「で、何で書いたわけ?」と問い詰められたひなたは、「何でって、言われてもマテ貝見たら……最近ね、突然胸がギューって苦しくなって、自分の中に何かが足りないってすごく感じるんだ」と語りますが、共感は得られず「大人になろうぜ」と返される始末。するとひなたは「大人になるからこそ納得できないんじゃん」とこぼしつつ、この日は潮が満ちてきたことからみんなで帰ることになるのでした。






帰り道、同級生たちが談笑する中、ひなたはふと「たかが黄昏 されど夜明けを待ち侘びて」と脳裏に浮かんだフレーズが気になり「(誰の詩だっけ?)」と心ここにあらずの状態に。そして最後は「私たちが生まれた年に、日本最後の『男』が死んだ」と顔に布がかけられた謎の男の姿と意味深な説明で締めくくられ、1話が終わります。



なぜか「男」という言葉が禁句になっているという不思議な世界観で始まる本作ですが、2話、3話、4話ではなぜひなたたちがなぜ穴ジャコやマテ貝をせっせと採っていたのかが明らかになる他、「男」という存在の意味についても明かされていきます。
『たかが黄昏れ』第1巻は2月6日発売予定。同日には花沢健吾さんが本作と同時に『ヤングマガジン』で連載中の『アンダーニンジャ』第1巻も発売となります。
(Kikka)
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