サンタクロースといえば、赤いサンタ服。このイメージが広まった背景には、コカ・コーラ社の販売戦略が関わっているという話を聞いたことはありませんか?
ネット上では“都市伝説”の一種とされることもありますが、これはどこまで本当なのでしょうか。

解説
日本コカ・コーラWebサイトによれば、同社は1931(昭和6年)、ハッドン・サンドブロムという画家にクリスマスキャンペーンの広告を依頼。描かれたのは「赤い服を着た、白髭で陽気な微笑を浮かべたサンタクロース」で、コカ・コーラの世界進出とともに、このサンタ像も「世界的に定着していった」と解説しています。
しかし、あの赤い衣装は司教の法衣に由来するといわれており(サンタのモデルとされるのは「聖ニコラウス」という聖人)、20世紀に入る前から「サンタ=赤い服」というイメージが存在していたとする説も。衣装に関しては、コカ・コーラのキャンペーン以前までさかのぼれるというわけです。
「明治大正期のクリスマス受容」という論文によれば、日本でも、明治時代の1907年には「サンタは赤色の服を着ている」という風に説明する新聞記事が現れているのだとか。また、他の色で描かれている事例が確認できないことから、同論文は「コカ・コーラ社のものよりも前に、既に日本では赤服白髯(ひげ)のサンタクロースのイメージが形成されていた」と考察しています。ちなみに、体形は必ずしもふくよかではなく、細身に描かれることもあったとか。
主要参考文献
- コカ・コーラが現在のサンタクロースのイメージを定着させたと言われるのは本当ですか?(日本コカ・コーラ)
- 明治大正期のクリスマス受容 – クリスマス・サンタクロースの諸表象(早稲田大学/勝田彩香氏)
- サンタクロースの文化史のための覚え書き(札幌大学/ランベッリ ファビオ)
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