「漫画家が目覚めてから原稿に着手するまで」をスポーツ中継風に描く漫画が、生々しさで笑いを呼んでいます。締め切りが迫っているにもかかわらず、なかなかフトンから出られない様子は、自由業ならずとも身につまされるところがあるはず。
「原稿作業を最速で始める漫画」。「急いで始める漫画」ではないところがポイントです

漫画は「締め切り破り割増太郎」の異名を持つ、いかにも筆が遅そうな漫画家、狸山の目覚めからスタート。主に実況役と解説役のトークで展開されていきます。実況は「目を覚まし原稿に向けて気合十分」などと威勢良く切り出しますが、当の狸山が起き抜けに始めたのはゲームアプリ。ログインボーナスを拾うだけかと思いきやすぐに対戦を始め、あっさりと負けてしまいます。本業にかかる前から、別のことでモチベを下げるもんじゃない。

続いて、狸山はTwitterのチェックを開始。タイムラインを読み終えてもリロードを繰り返して、いっこうに起きる気配がありません。そうこうするうちに好みのツイートを発見し、さらにその投稿主のイラストSNSへジャンプ。どんどん現実逃避の深みにはまっていきます。


せめてネットで得たものが、起床や今後の作業への刺激になればよかったのですが、あろうことか狸山はコンテンツを読み疲れて二度寝。急に目を覚ましたかと思えば、部屋の寒さを感じると再び眠り、二度寝三度寝のループに入ってしまいます。暖房をつけていようと、フトンのほうが暖かくて気持ちいいですもんね……。

やがて、スマホのアラームにたたき起こされる狸山。一応起きる意思はあったようなのですが、不機嫌そうにオフにしていきます。設定したのは自分なのに、アラームがうとましく感じる……理不尽なあるある。

このように怠惰っぷりを見せ続けた狸山は、生理現象をこらえきれずトイレに立ってすら、すぐにフトンに戻ってしまう体たらく。しかし、そんな彼にもとうとう真の目覚めが訪れます。というか、「進捗いかがでしょうか」「電話いいですか?」と担当編集者にせっつかれるなり、スッと机に向かったのでした。この追い込まれないと動けない現象、笑うと自分にも刺さりそうで笑えない。

漫画は「わかりみが強い」「俺が漫画になってる」と共感を呼び、作者のおのでらさん(@onoderasan001)も「自分の日記みたいになってしまいました」とコメントしています。そりゃあ、描写が生々しいわけですよね。
なお、同作は書籍化された『コミケ童話』シリーズに連なる一編。おのでらさんはVTuber愛をつづった『輝夜月ガチ勢の日常』も著しています。
作品提供:おのでらさん(@onoderasan001)
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