映画「カメラを止めるな!」(通称:カメ止め)が2018年6月の公開から大ヒットに至るまでの間、同作に言及したツイートをTwitter Japanがグラフ化し、推移を動画にまとめています。ツイートの広まる様子が花火のように表現されていて、文字通り話題が“拡散”したビジュアルに仕上がっています。

冒頭の激しいビジュアルは、ツイート数がピークに達した8月20日の状況。文字は発信元のアカウント、赤や青の光は拡散の度合い、折れ線グラフはツイート数の推移を示しています
同作のように、「SNSでの口コミ」がコンテンツや商品のヒットにつながるケースはよくありますが、その過程を分析した事例はTwitter Japanでも少ないそうです。そこで同社は、カメ止めにまつわる会話がTwitter上でどのように広がっていったのか、可視化を試みることに。解析プロダクトベンダー、ONTROXの技術「IDG for Twitter」を用い、約1カ月をかけて分析しました。
グラフの推移を見ると、公開直前の2018年6月上旬はさすがにツイート数が少なく、絵面も寂しげ。それでも上田慎一郎監督や関係者、映画公式アカウントからの発信を起点に、話題がじわじわ広がっていく様子が見てとれます。Twitter Japanの担当者はこの時期について、「関係者からのツイートが連日投稿されて、公開前の期待感や空気感が醸成される。これらの投稿は、その後映画を見た人たちからリツイートされている」と分析。


好評の声が高まってきた7月、このころになると公式サイドからの発信はますます盛んに。観覧者の感想への返礼やリツイートをマメに行い、ファンとの絆を強化しています。

7月下旬から8月にかけては、著名人による映画の感想や推薦が増え、広く拡散されるように。Twitterを起点にした情報が、テレビなどのマスメディアも巻き込んで広がっています。


そして動画は、ツイートの件数がピークを迎えた8月20日の状況を示して終了。その前日に行われた、大阪で初の舞台挨拶上映が大きく影響しているようです。同時期には、「予算300万円で生まれたヒット作」が喧伝されていることに、「300万でもあれくらいの傑作はできると世間に思わせてはだめだ」と異を唱えるツイートも注目を集めていました。

太田さんの指摘
7月にも、「低予算映画がヒットしたことで、他の作品も低予算を強いられるのではないか」とする意見が注目を集めていました
同社は分析を終えて、「Twitterでは『私を見て!(Look at Me)』といった情報よりも、投稿者が得た感動や発見を伝える『今、こんなことが起きているよ!(Look at This)』といった情報のほうが広がりやすいように思います」とコメント。「自分が映画を通じて得た感動を『同じようにほかの人にも体験してほしい』という強い思いが、『共感形成のコミュニティ』を形成し、大きな話題を生んだ」と総括しています。
「カメラを止めるな!」は、2019年3月8日21時からの「金曜ロードSHOW!」(日本テレビ)で、地上波初放送。同日のビデオソフト発売もあり、またTwitterで大きな話題となるかもしれません。

動画提供:Twitter Japan
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