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スマートフォン向けゲーム「Fate/Grand Order(FGO)」などを開発・運営するディライトワークスは3月27日、社内ゲームセンター「DELiGHTWORKS×ゲーセンミカド」を新設した。高田馬場と池袋でゲームセンターを営業する「ゲーセンミカド」店主の池田稔さんの協力のもと、11種類のアーケードゲーム筐体を設置する。

なぜディライトワークスは社内にゲームセンターを作ったのか。クリエイティブオフィサー塩川洋介さんは、「きっかけはFGOのアーケードの展開を始めたこと」と語る。ディライトワークスは2018年4月からゲーム「FGO」のアーケード版「Fate/Grand Order Arcade」を、ノーツ、アニプレックス、セガ・インタラクティブとともに展開している。
「ディライトワークスでは、自分たちで作っているゲームを1ユーザーとして遊んで、実際の開発にフィードバックしています。アーケードも、お客さんと同じ環境で遊んで、お客さんと同じ気持ちになってゲームをよくしていこうという思いがありました」(塩川さん)
また、後押しになったのが2018年3月に社内に設置したボードゲームカフェの存在だ。アナログボードゲーム250種以上をそろえたボードゲームカフェを「JELLY JELLY CAFE」の協力のもと作った。社内ではオリジナルボードゲーム企画が同年11月に形になり、社外に向けては月1でボードゲームパーティーを開催するなど交流の場となった。
「ボドゲカフェを設置して、すごくいいことがいっぱいありました。当初から『FGO Arcade』の筐体は置きたいと考えていたのですが、本格的に“ゲーセン”と言えるところまで発展していければ、社内外に好影響があるのではないかと思っています」(塩川さん)
気になるタイトルラインアップは……
今回協力した「ゲーセンミカド」は、2009年に高田馬場でオープン、2018年には2店舗目の池袋店をオープンしている。独自のラインアップや企画力に定評があるゲーセンだ。“ゲーセン離れ”が進むのと反比例するように、アーケードゲームの開発費は上がっている。ゲーセンは年々重くなる筐体への投資に苦しんでいる状況だ。「潤沢な資金がないミカドのようなゲーセンは、企画や大会などの取り組みで“穴”を埋めています」と池田さんは話す。
社内ゲーセンの話を持ち掛けられた当時を、池田さんは「意味がわからなかった」と笑いながら振り返る。
「休憩室にゲーム機がある会社はあるでしょうが、なかなかゲームセンターとは名付けない(笑)。でも、スマホゲームでトップを走っているディライトワークスさんが、ゲーセンにつながる企画をしてくれるのは大きい。娯楽の幅が広がっても、“場”でゲームをすることは変わらず重要。それを塩川さんが理解してくれているのが喜ばしいと思っています」(池田さん)

DELiGHTWORKS×ゲーセンミカドに入ったゲームタイトルは以下の11種類。「息抜きになるような、気軽に楽しめるタイトルです。また、ゲーセンの歴史ともいえる、70年代から2000年代までを凝縮したラインアップを意識しています」(池田さん)。
- Fate/Grand Order Arcade
- スペースハリアー(DX筐体)
- MELTY BLOOD Actress Again Current Code
- 餓狼伝説スペシャル
- 雷電II
- ファイナルファイト
- ブレイクアウト
- ストリートファイターII
- IRON MAN PRO(ピンボール)
- AC/DC(ピンボール)
- 国盗り合戦(エレメカ)
ゲーム好きのねとらぼ副編集長にラインアップについて聞いてみると「『雷電II』が入っているのが渋い! ストIIはあえて元祖、餓狼はやっぱりガロスペ……というあたり、いぶし銀のラインアップという感じがしますね。うらやましい……」というコメントが。また、「スペースハリアー」はプレイとともに座席が動くバージョンで、「かなりレアですそれ!」と、ゲーム好きもうなるタイトルのようだ。

ディライトワークスの従業員は、会社の営業時間内は自由に遊べる。「FGO Arcade」のみ電子マネーで支払い、あとのタイトルはフリープレイ。塩川さんはラインアップの中でも「MELTY BLOOD AACC」を挙げ、「(Fateシリーズの)TYPE-MOONさんのタイトルですが、いま筐体でプレイできる環境があまりない。私もプレイしていきたいですし、社内のスタッフに『TYPE-MOONさんにはこういう作品もあるんだよ』と伝えていきたいです」と話した。
今後は、タイトルの見直しやアップデートを行うとともに、ボードゲームカフェと同様、業界発展のためのコミュニケーションの場として外部に公開していく予定。また、“クリエイティブのたね”になることも期待する。
「かつて『キングダムハーツ』を作っていたとき、PS2にはあまり3Dアクションゲームがありませんでした。当時は3Dゲームの最先端はアーケード。3Dアクションゲームを研究するためにゲーセンに通っていました。(社内にゲーセンを設置することで)知識としては知っているけれど、じかに触って学び刺激を得て、新しいコンテンツを生み出す種にしていきたいです」(塩川さん)
池田さんも、アーケードゲームがディライトワークスのクリエイターに影響を与えることを期待する。「アーケードゲームは、制約がある中で『1枚でも多く100円を入れてもらえるように』作られている。業界トップのクリエイターのみなさんが、息抜きや休憩としてコインオペレーテッドのゲームを遊んでみると、感じるところやいいフィードバックがあるのではと思っています。また、ディライトワークスさんがすごいアーケードゲームを作ってくれる未来を期待しています(笑)」とコメントを寄せた。
「ゲーセンミカド」のイメージキャラクター「ミカドちゃん」特別デザインを漫画化の押切蓮介さんが描きおろし。ディライトワークスをイメージしたカラーや、胸に「DW帝」が描かれているなど、オリジナルのデザインでゲーセンコーナーを彩る。

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