制御不能になったトロッコをどう扱うべきか。有名な思考実験「トロッコ問題(トロリー問題)」について、全員の命を救える最適解が明らかにされ、Twitter上で大きな注目を集めています。

トロッコ問題とは、2010年に亡くなった哲学者フィリッパ・ルース・フットが提唱した「人間が道徳心から生まれるジレンマにどう対処するのか」を見るための倫理学の思考実験。線路上を走るトロッコが制御不能になり、そのまま進むと5人の作業員が確実に死ぬ、5人を救うためにポイント(分岐点)を切り替えると1人の作業員が確実に死ぬという状況下で、線路の分岐点に立つ人物(自分)はどう行動すべきかを問うものです。
何もせずに5人を見殺しにして1人を救うか、1人を犠牲にして5人を救うか。どちらを選んでも後味の悪い結果になるため、世間ではよく「第3の回答」が求められています。
そんなトロッコ問題の第3の回答「誰も死なせずに解決する」を実現できる最適解が、Twitterユーザー・ナローの泉(@hornby32mm)さんによって明らかにされました。その方法とは2本の線路に分岐するポイントレールを「中立」にするという、言われてみれば納得の単純なものでした。
「全ての作業員を助ける事が出来ます!」と添えて、証拠として公開された映像はトロッコ問題の状況が再現された環境で、中立状態のポイントに差し掛かったトロッコの挙動が収められています。
分岐点に差し掛かったトロッコはそのままレールの上を走って……いくことはなく、脱線。ゴトゴトと地面を少しだけ進んで停まりました。やった、これが誰も死なない優しい世界線……!



この「ポイントを中立にする」という方法は、以前から鉄道ファンにはよく知られていたそうですが、初めて知ったという人からは「目から鱗」「そんな手が!」「救世主」などと驚きの声が上がっていました。
ちなみになぜトロッコが脱線したのかについて補足すると、これはトロッコに使われている車輪の特性によるもの。鉄道関連で使われている車輪は内側に「フランジ」と呼ばれる出っ張りがあり、これが左右のレールに内側から押し当てられることで、車輪がレールから外れないようになっています。


ポイントの役割は、その押し当てる力をトングレール(分岐点にある可動レール)で受け止めて、別のレールへ誘導することですが、そのトングレールが中立(どのレールにも接触していない)状態になっていると、左右のフランジに押し当てる力がなくなり、直進することもままならずにレールから脱線してしまうのです。
画像提供:ナローの泉(@hornby32mm)さん
(春山優花里)


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