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10秒で読めて、会社や学校でちょっと知ったかぶりできる「マンガで雑学」。今回はちょっと意外な「海の生き物」に関する雑学3つをお届けします。

雑学その1:本当はカニじゃない「タラバガニ」が、カニに似すぎている理由
丸っこい体に長い足が生えているタラバガニ。いかにもカニらしい姿をしていますが、実は「生物学的にはカニではなく、ヤドカリの一種」だということをご存じですか?
ヤドカリといえば巻貝の貝殻などを背負った姿を想像しますが、なかには貝殻を利用しない仲間もおり、タラバガニはその一種。脚のつくりも異なっており、通常のカニの脚は10本(ハサミを含む)ですが、タラバガニには退化して甲羅の下に隠れている脚があり、8本しか見えないのです。
見た目がカニにそっくりなのは「収斂進化(しゅうれんしんか)」によるものといわれています。これは「異なるグループの生物にもかかわらず、器官や形態が似てしまう」という現象で、例えば、哺乳類であるコウモリの翼が鳥類のそれに似ているのも収斂進化の結果です。カニとタラバガニは同じような環境で暮らしているため、求められる機能や姿も似てきてしまったというわけです。




主要参考文献
- カニの王者タラバガニはカニのそら似(JT生命誌研究館/宮田隆)
- ヤドカリのからだ(瀬戸臨海実験所)
雑学その2:「あの生物」には青い血液が流れている
お次はカニはカニでも、カブトガニのお話。「生きた化石」とも呼ばれるカブトガニ、その血液の色はなんと「真っ青」なのです。
そもそも人間の血液が赤く見えるのは、「ヘモグロビン」が原因。ヘモグロビンには鉄が含まれており、それが酸素と結合することで、身体中に酸素が運搬されています。このとき、鉄板などがさびると赤茶色になるように、ヘモグロビンの鉄も酸化して赤くなるのです。
生物の中には、ヘモグロビンの代わりに別の物質を利用しているものもおり、例えば、カブトガニの場合は「ヘモシアニン」。これには銅が含まれていて、酸化すると青色になるため、カブトガニの血液は青く見えます。この青い血は細菌汚染検査などで利用され、医療分野に役立てられています。





主要参考文献
- 血液の話:血液の色(日本化学会/寺田周弘氏)
雑学その3:「ブラックタイガー」の意外な和名
エビなのに「虎」と呼ばれている「ブラックタイガー」。ややこしいことに、和名では“さらに別の生物”の名前が使われています。
その和名とは「ウシエビ」。食用で販売されているブラックタイガーは主に海外からの輸入品ですが、国内にも生息しており、それらはこう呼ばれています。成長すると体長約30センチにも達することもあり、クルマエビ科の中では最も大きいことから、ウシにたとえられたのだそうです。
ちなみに、近縁種には「グリーンタイガー」というエビがおり、日本語の呼び方では「クマエビ」「アシアカ」などが知られています。





主要参考文献
- ウシエビ(ブラックタイガー)(うおいち)
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