天国に行きたいために、自分を押し殺して人の役に立とうとする少女を描いた漫画が、本当の優しさについて問いかけています。作者はTwitterで漫画やイラストを投稿している色のん(@iro_ironon)さん。

主人公の女の子は、自分のことを人間として劣っていると思っていました。勉強も運動もできないし、容姿も優れておらずコミュニケーションも苦手。だからせめて優しくあろうと決めていました。急ぎの課題を「このあと暇だよね?」と当然のように押しつけてくる同級生にも笑顔で「いいよ」と承諾。こんな言い方されたら怒っても良いのに……。

別の同級生が見かねて、放っておけばいいと声をかけてきても、「困ってた……みたいだから……」。同級生は「そんなに天国に行きたいのかよ」と厳しい言葉を投げかけます。

女の子の生きる世界では、死後に天国か地獄どちらに行くか、人生の中で何度か神様が手紙で知らせることになっています。彼女の元にもついに手紙が届きました。この日のために人の役に立てるようにしてきたし、欲しいものは何ひとつ買ったことはありませんでした。「神様ちゃんと見てくれているかな……」と期待しながら手紙を開くと、そこに書かれていたのは──「地獄行」。


「君は大切な人を見殺しにしようとしています。その人は悲しい、苦しい、辛い、助けてとずっと泣き続けているのに、君は見て見ぬふりをしています。君は君自身のことを傷つけ、殺そうとしている」。神様は確かにちゃんと見てくれていました。だからこそ、女の子がこのまま自分を押し殺して生きていくのなら地獄行きだと教えてくれたのです。

「自分のことも大切にしてね。今からでも遅くないよ」と、友達が笑顔の絵文字付きでメッセージをくれるように、神様は教えてくれました。「こんな出来損ないでも、自分のことを愛していいのですか?」――神様の厳しくも優しい言葉のおかげで、彼女はようやく自分のために泣くことができたのでした。

ただ闇雲に人の役に立つことをすれば天国に行けると思っていた女の子。作者の色のんさんはこの漫画に「自分を大事にしてほしい」というメッセージを込めたそうです。
漫画には「これは泣いた」「最高なお話でした」「なんという優しさ!」など、感動したという声が多数届いています。これから女の子の生き方が少しでも変わっていくと良いですね!
画像提供:色のん(@iro_ironon)さん
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