ノドの不調で声が出ないとき、唐あげやポテトフライなどの油ものを食べると治る――。そんなうわさが、近ごろTwitterで話題となっています。

発端は「声が出ないときは唐あげが効く」「ポテトフライを食べると油で口内がうるおって歌いやすくなる」とする、声優や歌手の過去発言。これらを実践したら効いたとのツイートが、広く拡散されました。この流れで、「ウーロン茶を飲むと口内の油分が流れ、ノドが乾いて傷つきやすくなる」との説も広まっています。
編集部は確認のため、耳鼻咽喉・頭頸部外科分野の専門家である、日本大学医学部の中村一博准教授に話を聞きました。まず、油分が多い料理のノドへの効果について聞くと、「むしろ悪い効果のほうが多い」との回答。例えばフライドポテトの場合、調理時に増加する脂質と塩分が問題とのことです。「脂質の摂り過ぎは血液をドロドロにしますし、塩分も過剰摂取すると、声帯がむくんで声は悪くなります」

中村准教授は「ウーロン茶がノドに悪い」説についても、エビデンスはないとしています。そもそもノドの粘膜には十分な水分が必要で、摂取時には糖質を含まないお茶やミネラルウォーターなどがベスト。むしろウーロン茶は粘膜のためにとても良い水分とのことです。
では、「ノドに良い食べ物」はあるのでしょうか。中村准教授は「薄味で栄養バランスの良い食事」と回答。極度に辛いものは咽喉頭粘膜への悪い刺激になり、味が濃いものは体内の水分バランスに悪影響して声帯がむくむ原因になるとのこと。水分を確保しつつ、炭水化物、脂質、たんぱく質、繊維質を均等に摂取できるバランスの良い食生活をするのが大切だそうです。
また、食事だけでなく、生活習慣についてのアドバイスも。粘膜と皮膚は同じ細胞から分化するため「肌に良いものはノドにも良く、肌に悪いものはノドにも悪い」そうで、寝不足やストレス、暴飲暴食、喫煙、過度の飲酒などは禁物とのことです。

中村准教授は最後に、「調子が悪いときは、ネットの情報などで自己判断せず、専門医の受診を」と安易にネットの言説に惑わされないようにと警鐘を鳴らしています。ただ、実際に油ものでノドの調子が良くなったという人に、「おいしいものを食べて元気になった」といった心因的な効果が働いている可能性はあります。もちろんとりすぎはよくないですが、「気は持ちよう」とも言いますし、景気付けなどの意味で食べるのも悪いことではないでしょう。もちろんその際も過度の摂取は避け、バランスのいい食事を心掛けてください。

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