ヤフーが先日発表した信用スコア「Yahoo!スコア」について、「オフにしないと個人情報が企業に売り渡される」といううわさが流れています。同社広報に問い合わせたところ、ユーザーの同意なしで外部企業にスコアを提供することはないと否定しました。

Yahoo!スコアとは
Yahoo!スコアは、ユーザーのYahoo! JAPAN上の行動などから算出する信用スコア。本人確認では「Yahoo! JAPAN IDにひもづく住所・氏名・電話番号・メールアドレスなどの情報の登録率」、信用行動では「ヤフオク!における取引実績や評価、ショッピングでのレビュー回数、知恵袋での活躍度、Yahoo! JAPANへの支払い滞納の有無および回数」などをデータとして活用しています。
同社はユーザー側のメリットとして、「スコアに応じてお得なオファーを受けられる」「サービス利用開始時の手続きの手間を減らす」「シェアリングサービス領域においては、申し込み時の手続きの簡略化や保証金の免除、安心してモノの売買や貸し借りができる環境の構築などが期待できる」などを挙げています。
「デフォルトで企業に個人情報が渡る」は否定
このスコアを7月1日から同社の外部パートナー企業向けに提供することから、SNSでは「デフォルトで企業に個人情報が渡るようになっている」といった投稿が注目を集めています。
ヤフー広報に聞いたところ、パートナー企業へのスコア提供は、デフォルトではオンになっていないとのこと。「Yahoo!スコアの作成とYahoo! JAPAN内での利用」と「Yahoo!スコア情報の外部パートナー企業への提供」は別のステップで、前者はデフォルトでオンになっているものの、後者についてはパートナー企業のサイトを利用する際に、「Yahoo! JAPAN IDでログイン」を選択し、ログイン前に出てくる画面で同意した場合のみ、スコアが提供されると説明しています。「使ったことがない企業・サービスに勝手にスコアが提供されていた、ということは起こり得ません」(同社広報)

「外部パートナー企業への提供については、一部で『Yahoo!スコアの外部企業への提供がデフォルトでオン』になっているような誤解を招く表記があり、ご不安を感じさせてしまったことは大変申し訳なく思っており、コミュニケーション内容を改善して参りたいと考えています」(ヤフー広報)

とはいえ「Yahoo!スコアの作成とYahoo! JAPAN内での利用」がデフォルトでオンになっていることにも、本人が知らないうちにスコアが生成されてしまうといった批判があります。同社広報は利用規約で同意を得ていると説明。「お客様に適したサービスのご提供等を目的とした、Yahoo! JAPAN内でのパーソナルデータの取得と利用については、これまでもプライバシーポリシー含むYahoo! JAPAN利用規約でご説明の上ご同意いただいており、その範囲内で実施させていただいております」
今後“デフォルトでオン”を変更する予定があるかとの質問には「今後の変更については、現時点では決まっておりませんが、その他の様々な仕様を含め、慎重に検討を進めていきたいと思います」と回答しています。
なおYahoo!スコアの作成と利用については「プライバシー・メール配信」でオン・オフを切り替えられます。

本人への点数の開示は
Yahoo!スコアの点数が本人に開示されないことも批判の対象となっていますが、ユーザーに向けてスコアを開示予定とのこと。今後変更の可能性はあるものの、現時点では総合スコアの上限は900となっています。
「『Yahoo!スコア』については、いただいた貴重な意見を参考にさせていただき、より安心してお使いいただけるサービス設計を進めつつ、丁寧なコミュニケーションを図って参ります」(ヤフー広報)
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