麻雀プロ、名倉徹さんの結婚式に出た「麻雀ケーキ」が見事です。対局中の麻雀卓が牌の1つ1つまで再現されていて、これだけでも素晴らしいのですが、麻雀を知っていると、卓上が恐ろしい状況にあることが分かってより深く楽しめます。



先輩として式に出席した、小車祥プロ(@minicar229)がTwitterで紹介し、「史上最強の何切る問題」と評したケーキ。確かに、ツモ番が来ている雀士(写真下側)の立場で見れば、問題として成立します。ただし、巡目は最後ですし、手牌はテンパイ済み。普通「何切る問題」といえば、テンパイの数手前といった難しい局面の選択を問うものですが、この問題の場合、自分の手だけを見る分にはさほど迷う場面でもありません。
ただ、オープンされている他3家の手をよく見ると、自分がのっぴきならない状況にあることが分かります。全員がテンパイしていて、上家(写真左)は国士無双「南」待ち、対面(写真上)はソーズのメンチン「2・4・5・7・8」待ち、下家(写真右)はマンズのメンホンハク「3・4・5・6・7」待ち(5で和がるとサンアンコーがついて高目)。これをふまえて自分の手牌を見ると、どれを切っても誰かの当たり……「何切る問題」というか「何も切れない問題」だった! 詰んでるっ!!

この状況に正解があるとすれば、マンズ(5以外)を切って下家へふりこみ、失点を最小限に抑えるくらいでしょう。この見れば見るほど発見のあるケーキには、多くの賛辞が寄せられました。
小車プロにケーキ入刀の様子を聞いたところ、結局手牌の部分は切らず、フチを少し切っただけだったとのこと。ただ、新婦から新郎へのファーストバイトでは、対面の5ソウあたりを大きく切り取って食べさせていたそうです。ルールを超越した一手だ!(チョンボともいう)
また、「何切る」の難問について、小車プロならば何を切るか聞いたところ、やはりどれも切れないとのこと。どうしてもと言われたら南あたりを切り取ってほおばり、「国士放銃(フリコミ)回避!」と叫ぶと答えました。確かに、役満を食らうよりは罰符を払うほうがマシではある(マナーの問題はさておき)。
そしてこのケーキの局面、実は麻雀漫画『天牌』が元ネタ。名倉プロが同作の大ファンで、その名場面をケーキにしたのだそうです。原作者の来賀友志さんも反応し、懐かしいとコメントしています。
実は2ソウを暗カンして対面へのフリコミを回避したつもりが、リンシャンで4ソウを引いてきたという、どうにもならない状況だった
画像提供:小車祥(@minicar229)さん
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