「選挙で使う投票用紙の書き味にメロメロな人に教えたい。オキナのプロジェクト耐水ノートが同じ書き味です」というツイートが注目を集めています。投票用紙と同じ種類の紙が使われているというこのノート。どのようにして商品が生まれたのか、経緯をオキナに聞きました。

プロジェクト耐水ノート(オキナ公式サイトより)
選挙用紙を使ったノートがあるだとっ!
あのなんともヌルっとした書き味の投票用紙には、特殊紙「ユポ」が使われています(関連記事)。原料に木材を使わず、ポリプロピレン樹脂を使った合成紙で、水や薬品に強く、破れにくくて表面が滑らかなのが特徴です。1986年頃から一部の地方自治体で採用されるようになりました。
オキナが製造する「プロジェクト耐水ノート」には、ユポの仲間である「ニューユポFGS」が使われています。

仕様を見ると「ニューユポFGS」とある
オキナによると、製造を始めたのはおそらく投票用紙への採用が一般化するよりも前。製品企画者はスキーを趣味にしており、山を下りる際にはいい風景や植物をスケッチしたりしていたそうです。しかし、雪山ではどうしてもメモ帳がぬれてしまい、使い物になりません。どうにかならないかということで、水に強いユポという紙を見つけ、メモ帳にしたというのが始まり。
販売当初は、なかなか文具店に置いてもらえなかったといいます。当時のメモ帳は100円玉1個で買える程度が相場でしたが、高額なユポを採用した製品はメモ帳が480円、ノートが680円という価格。
それでも海外のアウトドアショップや、陸上自衛隊・レスキュー隊などでの需要を徐々に発掘。最近ではネットで話題になることも増えてきたので、少しずつ市場に出回る量も増えてきたそうです。

迷彩柄やオレンジのものも製造している
現在、同社ではB6とB7サイズを製造中。B5やA4サイズも作りたいと思っているものの、値段との折り合いがつかず実現できてないのだとか。以前、別の耐水性用紙で30枚程度の薄めのノートを作ったところB5サイズ・1冊で1400円になってしまいました。その際も根強い支持はあった一方、売れ行きが思うように伸びず、結局は廃版に。ユポで作ったら、おそらくこれの倍の値段になるのではと話していました。
なお、プロジェクト耐水ノートは、ぬれても書けるのが特徴です。筆記用具は選びますが、鉛筆や加圧式ボールペンであれば、水に沈めたままでも書けます。釣り・登山・スキー・カヌーなどのアウトドアスポーツや、雨天時の野外調査、はたまたお風呂でひらめきをメモしたい人には、便利すぎるノートでしょう。

クリーニングのタグに使う耐洗紙を使った耐水ノートもある(オキナ公式サイトより)

石からできたストーンペーパーのノートもある。同じ耐水でも書き味は全く違うそうだ(オキナ公式サイトより)
(高橋ホイコ)
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