近年、大気汚染を伝えるニュースでよく目にする「PM2.5」。「PM2.5の濃度が基準値を超えた」などと聞きますね。
なんとなく体に悪そうなことは知っていますが、実際にはどのようなものなのでしょう? また、「PM」や「2.5」にはどのような意味があるのでしょうか?

「PM」は「粒子状物質」の意味
PM2.5の「PM」とは “Particulate Matter” の頭文字で、日本語に直訳すると「粒子状物質」となります。
単一の化学物質ではなく、細かい粒子になった物質をひとくくりに粒子状物質と呼んでいるので、炭素成分や硫酸塩、硝酸塩などさまざまな成分が含まれています。
「2.5」は大きさを表す
PM2.5の「2.5」は粒子の大きさを表しています。粒子状物質の中でも特に2.5μm(1μmは1mmの千分の1)以下の非常に細かい粒子をPM2.5と呼んでいるのです。
2.5μmは髪の毛の太さの30分の1程度、花粉の大きさの10分の1程度と極めて小さいサイズです。
なぜ2.5μmという大きさで分けているかというと、このレベルの微小な粒子となると気管支より深く肺の奥まで到達し、人体に悪影響を与える可能性が高まるからです。

PM10もある!
分ける大きさの違いにより、大きさ10μm以下の「PM10」や大きさ0.1μm以下の「PM0.1」などのほかの指標もあります。
日本では1973年から大きさ10μm以下の粒子を「SPM」※と呼び、環境基準を設けて規制してきました。
※SPM:浮遊粒子状物質。測定方法の違いにより厳密にはPM10とは異なる
一方で更に小さい微小粒子による呼吸器や循環器への悪影響が指摘されると、1997年にアメリカでPM2.5の環境基準が制定され、遅れて2009年に日本でも環境基準が新設されました。
その基準によると「1年平均値15μg/m3以下かつ1日平均値35μg/m3以下」が望ましい水準とされています。
PM2.5はどこから来る?
PM2.5はさまざまな物質から構成されているため、発生原因も発生源も多様です。
発生原因は大きく2つに分けられ、物の燃焼などから直接発生する1次粒子と、原因物質が大気中で光化学反応などを起こして発生する2次粒子に分けられます。
また発生源は、石炭火力発電所や自動車の排ガスなどの人為起源のものと、火山灰や土壌などの自然起源のものに大別されます。
発生原因や発生源が多様であることが、PM2.5の対策を難しくする一因ともなっています。
おわりに
環境省はそらまめ君(大気汚染物質広域監視システム)で国内外のPM2.5の濃度をリアルタイムで公開しています。興味がある人は見てみるといいでしょう。
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