8月20日(現地時間)米国農務省は、調理時に生の食用鳥肉を洗う危険について調査した結果を発表しました。細菌がキッチンに飛び散り食中毒を起こす原因になるため、研究者は「一番良いのは、生の食用鳥肉は洗わないこと」と言及しています。

飛び散る細菌(画像はYouTubeより)
米国農務省は、生肉を洗うべきではない理由が簡単に分かる動画も公開しました。肉に付いた細菌は、水はねによってシンクだけでなく壁や調理台など、複数箇所に付着していることがよく分かります。
米国農務省の調査発表では、生の食用鳥肉を安全に取り扱う方法を3つ紹介。1つは「火を使わない食品を先に調理すること」です。サラダなどの火にかけない食品の準備を先に済ませてしまいましょう。調理の順番に気を配るだけで、食中毒のリスクを大幅に下げることができます。農務省が行った調査によると、生肉を洗った60%の人がシンクに細菌を残しており、細菌が残った状態でレタスなどの調理を行った人は26%いたと発表しています。
2つ目は「細菌の完全な消毒」です。調理台やシンクを洗剤を溶いたお湯で洗い流し、消毒剤を塗ることが効果的だといいます。肉を触った手はすぐに洗うことを推奨しています。手をぬらし、せっけんで泡立て、20秒間よくこする、という手順が効果的です。
3つ目は「適切な温度で調理すること」です。料理用温度計を利用して、きちんと熱を通すことで食中毒などを引き起こす細菌を破壊しましょう。生の鳥肉は約74度、ひき肉は約71度、牛肉や豚肉などは約63度で中心まで加熱することで安全に食べられるようになるそうです。ちなみに塩水や酢、レモン汁などでは細菌は死滅しないとのこと。

洗わない方がいい(画像はYouTubeより)
食品安全を担当するミンディー・ブラシャーズ博士は「肉を水で洗ってきれいにしたと思っていても、細菌は調理台や食品に簡単に付着することが研究結果を見れば明らかです。一番良いのは、生の鳥肉は洗わないことです」とコメントしました。
きちんと火を通すだけで細菌は死滅するので、事前に洗うのは避けたほうが良いでしょう。同省の発表によれば、米国では毎年、食中毒のために約12万8000人が入院し、約3000人が亡くなっています。

除菌や加熱などが大切(画像はFood Safety Consumer Research Project: Meal Preparation Experiment Related to Poultry Washingより)
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