クルマを運転する上で、後方の死角を補って安全に走行し、車両感覚をつかむのに欠かせない「ミラー」。乗用車ならば左右のサイドミラーと室内中央にあるバック(リアビュー)ミラー、この3個が基本です。

しかし、トラックやバスなどの大型車には、さらにミラーがたくさん付いています。もちろん目立ちたいがためのデコレーションなどではありません。では一体、どこを見るためのミラーなのでしょう?
車体側面のミラーのうち、上段のものは乗用車と同じ後方を確認するためのミラーです。
車内にはバックミラーもあります。「荷台で後ろなんて見えないじゃない。意味あんの?」と思うでしょう。後方に荷台があるパネルバンにも基本的にはバックミラーが付いています。ほとんどのトラックの新車は運転席部分(キャブ)とシャシーだけの、後ろがないスッキリ状態で出荷されるためです(荷台がなければ、リアビューミラーとしてちゃんと機能します)。荷台はそこから用途と業務に応じて適する形状・仕様のものを後から架装します。中にはそこへ後方カメラを備えたシステムも付加した車両もあります。ともあれあえて取り外さない限り、荷台形状を問わずバックミラーは付いたままということのようです。

ここからが大型車特有の装備です。サイドミラーの下にもう1つのミラーがあります。これは「サイドアンダーミラー」です。大型車は全高が高い分、下方の死角が乗用車よりも大きくなります。発進時や駐車時、左折時などの四角を補って安全に走行するために必要です。なお、サイドアンダーミラーは車格の大きなSUV(スポーツタイプ多目的車)などにも通称「キノコミラー」と呼ばれるミラーが装着される車種があります。機能は同じです。フェンダーからにょきっと飛び出す形で装備されており、周囲を視認確認するために用います。
もう1つ、大型車特有の装備が円形の「アンダーミラー」です。多くの場合は左上から、下に向けて取り付けられています。魚眼レンズのように広い範囲が写るようになっており、前方の足元全体を確認できます。こちらは一般車でもワンボックス車種にも見られます。巻き込み防止などの周囲の安全確認に加え、大きな車体をギリギリまで詰めて駐車するようなシーンでも活躍します。

これだけ多くのミラーを駆使して視界と安全性を確保する大型車両の世界では、カメラを使った「デジタルミラー」への期待や関心も乗用車以上に高い様子です。乗用車の世界では先日「レクサス・ES」が市販車として世界初のデジタルドアミラーを採用しましたが、トラックでは一足先に、メルセデス・ベンツが2018年秋に欧州で発売した新型車両「アクトロス」でデジタルミラー化を実現しています。


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