北海道むかわ町穂別で発見された国内最大の恐竜全身骨格、通称「むかわ竜」が新属新種の恐竜であることが判明。同化石の発掘・調査を行った北大総合博物館の小林快次教授を中心とする研究グループは9月6日、「カムイサウルス・ジャポニクス」と命名したことを発表しました。

海岸に生息するカムイサウルスの復元画
「カムイサウルス・ジャポニクス(Kamuysaurus japonicus)」は白亜紀末のハドロサウルス科恐竜で、学名は「日本の竜の神(日本の神トカゲ)」を意味します。組織学研究により、年齢が9歳以上の成体で、体長8メートル、体重4〜5.3トンの恐竜であることが判明しました。頭の骨からトサカを持っていた可能性が示唆され、薄く平たいトサカであったと考えられています。
また比較研究と系統解析の結果、ハドロサウルス科ハドロサウルス亜科エドモントサウルス族に属し、ロシアの「ケルベロサウルス」と中国の「ライヤンゴサウルス」に近縁な恐竜であることがわかったとのこと。そして小林教授らの解析により、初期のハドロサウルス科の多様化について、海岸線を生息環境としていたことが大きく寄与していることが判明したとしています。
小林教授はインタビューで、「海岸沿いに住んでいた恐竜がどのような生活をしていたか教えてくれる世界的にも重要な化石」だとコメント。またカムイサウルス(むかわ竜)が普通は恐竜化石を探さないような海成層から発見されたことに触れ、「海の地層は日本全国にあるので、今後、むかわ竜のような全身化石が日本からもっと発見される可能性を示唆していると思います」と、今後の恐竜研究へのインパクトについても語っています。



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