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お店で代金を支払わずに商品を持ち逃げしようとする「万引き」。警察白書の統計によれば、国内の年間万引き件数は、発覚したものだけでも毎年10万件を超えるといいます。
こうした万引き犯に対抗するため、客に紛れて店内を巡回し、犯人を発見して捕まえる仕事を請け負っているのが通称「万引きGメン」(私服警備員)です。
今回は、「1日に5人捕まえたこともある」という凄腕の万引きGメンであるAさんに、よくある万引きの手口から、Gメンに向いている人の特徴、忘れられないエピソードなどを教えてもらいました。「万引き犯に温情は無用、容赦しない」というAさんが語る、現場の実情とは?

どんなお店でどんな人が万引きするのか?
――万引きGメンってどんな場所で張ることが多いんですか? やっぱりスーパー?
スーパーも万引きはそれなりにありますが、そもそもの単価が低いです。われわれのクライアントさんは薬局とディスカウントストアが多かったですね。あとは雑貨店とかゴチャゴチャした本屋。
――万引きする人の傾向ってどんなでしょう。
まずはホームレス。身なりをごまかしても靴を見れば分かります。ホームレスは食品を盗ることが多いので、新人には「取りあえず飲食コーナー見張っとけ」とはよく指示します。次にティーンエイジャー。子どもが大きなカバンを持って入店してきたら要注意です。
――見た目と犯行に及ぶ率は比例するものですかね?
残念ながら比例しますね。そしてわれわれの第一印象はほぼ間違っていないことが多い。金髪でチャラチャラした連中、ヤンキーっぽい服装の人のほうが普通の服装の人よりは傾向としては高いです。どうしても確率論で動かざるを得ないので、まずは格好・身だしなみから当たりをつけます。まあ、捕まえてみたら有名進学校の生徒だった……ってこともありますが。
――犯行現場を目撃したら、すぐ声をかけて取り押さえるんですか?
いえ、店を出てからでないとダメ。なぜなら、「買うつもりだった」と言い張られたら反証できないから。ちなみにカバンやポケットに盗ることを「チャリする」って僕らは呼んでいました。
――なるほど。
あと、一度チャリしたものの、気が変わって(あるいはGメンに感づかれたって察知すると)棚に戻すこともあります。なので、チャリしたのを目撃……「現認(げんにん)」って言うんですが、したらその時刻をメモし、目を離さずに店内を出るのを追いかけねばなりません。
――けっこうな高等技術じゃないですか? 相手に感づかれないよう目を離さないのって。
ですね。ここは相当な経験と技術を要します。
万引きの手口を見破る方法
――万引きの手口って、きっといろいろあるんですよね?
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