月刊乗り鉄話題（2019年10月版）：青春18きっぷ、悲しい失敗の記録　肉と鉄道と身延山ロープウェイ「身延線・御殿場線」編

　JRの普通列車・快速列車に1日乗り放題×5回セットの「青春18きっぷ」の旅（関連記事）。買うときに行くぞ！　と思っていたところへの旅が済んだら、あれ、2回分余っちゃった。そんなことってありませんか。やっぱモトを取った気がしないというアナタ、そしてモトを取ったからいいやというアナタ、せっかく使えるきっぷがあるなら乗りましょう。

　2019年夏期の青春18きっぷの使用期間は終わってしまいました（9月10日まで）。しかし、2019年10月12日から同年10月27日まで「秋の乗り放題パス」があります。こちらもJRの普通列車・快速列車に乗り放題。ただし連続する3日間有効です。青春18きっぷは計5回、使う日は期間中のいつでもOKでした。秋の乗り放題パスはきっぷに日付を入れてもらったら3日連続で使い切るルールですが、日帰り旅をするならば、今回の旅も、前回の旅も参考になると思います。

　実は今回は失敗編です。列車の遅れや天候の乱れがあったにしても、冷静に判断すれば果たせたはずの目的が達成できませんでした。あのとき、どうすれば良かったか……。皆さんが失敗しないための参考になれば幸いです。

御殿場線・身延線「B級グルメと身延山ロープウェイにも乗る旅」

　青春18きっぷ夏シーズンの最終日。「そうだ山梨・身延山のロープウェイに乗ろう」と思い立ちました。身延線の身延駅からバスに乗り、乗り合いタクシーでロープウェイ乗り場まで行けると身延山ロープウェイの公式サイトに書いてあります。

　身延線は東海道本線の富士駅と中央本線の甲府駅を結びます。途中の富士宮駅は、B級グルメ「富士宮やきそば」があります。ロープウェイとB級グルメ。旅立つには十分のネタです。

　横浜駅を7時発の東海道本線で西へ向かいます。崎陽軒の生姜焼き弁当を買いたかったのに入荷待ち状態。早まったか……。東海道本線の平日朝は下りも混んでいます。途中、茅ヶ崎駅の発車メロディはサザンオールスターズの「希望の轍」でした。上りがイントロ、下りがサビ。サビに送られて発車します。

　国府津駅には8時17分に着きました。予定よりちょっと早かったようです。東海道線を真っすぐ行くより、ここから分岐する御殿場線へ寄り道しようと思いました。

　発車まで時間があります。改札を出れば海はすぐそこ。道路に沿った堤防のすき間から砂浜へ行けます。帰りは地元のパン屋さんで朝食を調達。ちょっと買いすぎましたが、これが後で役立ちました。青春18きっぷ旅に限らず、乗り鉄の旅では食料と飲料は多めに携帯しておくとよいですよ。

　御殿場線はもともと東海道本線として建設されました。しかし、箱根・御殿場周辺の勾配区間が続くため、後に海側に丹那トンネルを掘ってその新線を東海道本線に、こちらは支線の御殿場線になりました。

　線路はまさに山道。酒匂川に沿って上流へ向かいます。東海道本線時代は複線でした。しかし支線となり、戦時中の金属類回収令によって単線化され、レールは供出されました。沿線には今も、使われなくなった橋桁やトンネルなどの複線時代の名残があります。