子ども、孫、甥など、親族に関する悩みが多かった。「テレフォン人生相談」(ニッポン放送・月〜金曜11時〜 配信)先週のハイライト。今回ピックアップしたのは10月29日(火)放送の今井通子パーソナリティー回。かつて里子に出した娘から「会いたい」という連絡をもらった相談者。会うべきか、会わないべきか悩んでいるようだが……。

パーソナリティ:加藤諦三(評論家)、今井通子(作家・登山家)、ドリアン助川(作家・ミュージシャン)、柴田理恵(女優・タレント) イラスト/北村ヂン
里子に出した娘から「会いたい」との連絡が
相談者は45歳の独身女性。同棲中の彼氏が50歳。かつて里子に出した13歳の娘がいる。
「里子に出した子どもから『会いたい』と言われまして、会うべきかどうか悩んでおりまして……」
相談者は30歳の時に離婚をし、その後に知り合った男性と付き合って妊娠。「これで結婚ができる」と思っていたものの、中絶手術もできないような段階になって「実は結婚しているんだ」と言われたという。
自分ひとりで育てていくことは難しい状況だったため、NPO団体に手伝ってもらい、生後5日の娘を里子へ出すことに。
それ以来、ずっと連絡を絶っていたのだが、最近になってその団体を通じて「こういう風に(会いたいと)言っているんですが、どうですか?」と連絡が来たという。
「あちらの家庭のことは何も分からないですが、きっとすごく幸せに育ってきたんだと思うんです。何がきっかけで産んだ親に会いたいと思ったのか分からないですが、会うことで今のあちらの環境に、何か変化が起きてしまうのではないかという懸念がありまして……」
ここまで聴いた段階だと、事情があって娘を里子に出してしまった母親が、本当は会いたくて会いたくて仕方がないのだけれど、「娘や里親のことを思えば会わない方がいいんじゃないか」と悩んでいる。……そんな相談に思える。
ただ、娘を引き取って育てている里親の方も、「里子であるということを隠すつもりはないです」と語っており、娘が産みの親(相談者)に会うことも了承済みなのだという。
だったら、相談者が気にすることはないように思えるが。
「会いたくないと言えば嘘になるんですが、会ってしまうことであちらが変わるのも、こちらが変わってしまうのも……」
「こちらも変わりたくない?」
ちょっとニュアンスが変わった。この相談者、ストレートに娘のことを考えて「会おうか、どうしようか」と言っているわけではなさそうなのだ。
アナタ、自分で答え出されていたね
この日のアドバイザーは幼児教育研究の大原敬子。いつも以上にグイグイ突っ込んで、相談者の本音を引き出していく。
「『会うべきか?』っていうのは、お子さんの立場を考えて会うべきかって言ったのか、自分サイドのことを考えて迷っているのか、これどちらですか?」
「どちらもです」
「いや違いますね」
自分でたずねておきながら、相談者の返答を認めないキビシイ追求!
「どちらの方に比重を置いてます? 自分サイドですか、お嬢さんですか?」
「どちらでしょう……言われると、自分かも知れません」
「その言葉をね、ストレートに取ってしまうと、娘さんは捨てられたと思いますよね」
会うか会わないか悩んでいるのは、自分の方の事情だと認めた相談者。大原は、そのへんの事情をやんわりとNPO団体や里親に伝えるべきではないかと提案するが、相談者は「私には会う資格がないので」などと話を濁す。
「会う資格がない云々は向こう側が決めることであって、アナタじゃないんですよね」
ああだこうだと言いながら、結局「娘と会いたくない」空気を出してくる相談者。少しだけでも、会うだけ会えばよさそうなもんだが……どんな事情があるのだろうか?
「今のパートナーは(娘のことを)知らないんですか?」
「まったく知らないです」
ここだ! パートナーとどの程度の関係なのかは分からないが、娘や里親とやり取りすることによって、そのことがパートナーに知られてしまったらと思うと……そりゃ会うわけにはいかない。

相談者の返答を簡単には認めないキビシイ追求! イラスト/北村ヂン
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