日常を魚眼レンズでのぞき込んだような、リアルなアートがすてきです。一見すると、単に丸い絵のようにも見えますが、実はこれ、球体に絵を描き込んだもの。回転する様子を見ると、風景が全天球イメージのようにぐるぐる動いて不思議な気分になります。
絵に吸い込まれるような気分になって、ずっと見ちゃう








画家の鮫島大輔(@samejimadaisuke)さんが、InstagramやTwitterで披露している作品。下絵をPCで変形させるといった加工は一切しておらず、球体に直接描いているというのだから驚きです。
制作過程を見ると、やっぱり球に描いた絵だ
こちらは直径120センチという、大作用の素材
相当な手間が想像される制作中の様子
ART PROJECT TAKASAKI 2019に展示された完成品。大きな木につるされていて、スケール感がすごい
立体に見えたり平面に戻ったり、奇妙な感覚をもたらす作品には、世界中から賞賛の声が多数。この立体アートはどのようにして生まれたのか、鮫島さんに話を聞きました。
日常的な郊外の風景を“そのままの姿”で描くために
――作品が生まれたきっかけは何でしょう。
鮫島:初めてこのシリーズを手掛けたのは2000年ごろです。毎日の生活の中で見過ごしてしまうような、どこにでもある日常的な郊外の風景をそのままの姿で描くために、何か1つ見てもらうための仕掛けが必要だと考えていました。
その1つのアイデアとして、自分がいる場所の風景をトリミングすることなく全て描くことはできないかと考え、小さな小屋を作り内側を全て風景画で埋める作品を作ってみました。ですが、小屋では臨場感を得ることができず、全部を風景画で埋めるのもものすごく大変な作業でした。
それに変わるものを考えていたときに、100円ショップに売っていた小さな地球儀を見て、内側でなく、逆に球体に描けば全ての空間を描けるのではないかと思いつきました。球体であれば回しながら鑑賞することで、鑑賞者が能動的に作品の中の世界をのぞき込むことができます。
――1点の制作にはどれほどかかりますか。
鮫島:不自然が無いように球面に描くのはとても大変な作業です。手で回している動画の作品(編注:最初に紹介した動画)で、1つ1カ月程度はかかります。
――制作にあたってこだわっている点は?
鮫島:誰もがどこかで見たことがあるような、日本の郊外の風景を選んで描いています。特定のランドマークを描かないことで、匿名の場所でありながらどこかで見たことがあるような既視感を持って作品を鑑賞してもらいたいからです。そういう場所こそが描きたい場所ですし、鑑賞者が作品世界に入り込みやすくなると考えています。
テクニック的なことで言えば、フリーハンドで球体に描いているので、可能な限り不自然な歪みが起きないように描いています。球面上に描いた風景ですが、回転させたときに平面に描いた風景が連続しているように見せたいと思っています。
画像提供:鮫島大輔(@samejimadaisuke)さん
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