パッケージに掲載されるのは、およそ1000句に1句。
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受賞すると“自分の句だけが入ったお〜いお茶”を1ケースもらえる
── 受賞者に副賞はあるんですか?
横山 自分の句だけが入ったお〜いお茶を、箱で1ケース(24本入り)進呈しています。
以前は市販されている缶やボトルに載った時点で1ケース差し上げていたのですが、掲載作品が全部で2000句もあるものですから、最後の方の人は1年たたないともらえなかったんです。それで5年ほど前から、該当の受賞作品が入ったボトルを別に作って、早めにお渡ししています。
── うれしいでしょうねえ。

横山 そうですね。1ケース差し上げたうえで、追加注文も承っていて。それは有料なのですが、だいたいの方から追加で欲しいとオーダーをいただきます。祖父母や学校の先生にあげる、取っておきたいなどの理由です。中には何十ケースも注文される方もいらっしゃいますよ。
── あげる方も誇らしいだろうなあ。
横山 中にはお仏壇に飾られている方もいらっしゃるようです。
ホット対応ペットボトルにはホッとする句を入れる
── この新俳句大賞を続けていて、大変だったことはありますか?
横山 やっぱり2000句を回していくのが大変です。一応気を使っていて、例えばホット対応商品なら、なるべくちょっとホッとする句を入れます。
── へえぇ、そうなんですか!

横山 ご当地パッケージにはボトルの県出身の方の句が入りますし、新緑のパッケージなら、できるだけ新緑に関わる俳句を探して載せています。あと抹茶入りの商品には英語俳句を入れるとか。
── 抹茶は外国の方に人気があるそうですからね。

横山 「濃い茶」は50代ぐらいの男性がよく飲むので、同世代が詠んだ句を多く入れています。そんな小さい調整をしていくのでけっこう大変ですね。

全校を挙げてサプライズ表彰式!
── お〜いお茶新俳句大賞に関わってきて、印象に残っている出来事は?
横山 受賞者の学校の体育館でサプライズ表彰式をやったことですね。全校生徒に協力していただきました。
── それは大掛かりな!
横山 当日は愛知県の大村知事にもお祝いにかけつけていただいて。
他には、小学生の受賞者に「賞を取ってから、ふだん見る風景を言葉にしたくなりました」と言っていただいたこともありました。このコンテストがきっかけで、生活を送るうえでの考えが変わったのが、担当者としてはうれしいですね。

2つの日本文化を未来へつなぎたい
── そんなお〜いお茶新俳句大賞を続けるにあたって、特に大事にしていることはなんですか?
横山 このコンテストでいちばん大事にしているのは、応募していただいた方に喜んでいただき、それをきっかけに伊藤園がコミュニケーションできる場であることです。他のキャンペーンでは決して築けない関係性を大事にしたいと思いますね。
── 最後に。新俳句大賞って、お〜いお茶という商品にとってどんな存在ですか?
横山 お〜いお茶と新俳句大賞は2つでセットです。お茶のおいしさと俳句の楽しさをお客さまに提供するのがお〜いお茶で、一緒にこの30年歩んでいますから。

── 主従関係ではなくて2つで1つ。それだけお〜いお茶新俳句大賞の存在は大きいんですね。
横山 お茶と俳句はどちらも日本を代表する文化だと思うんです。最近こそテレビやマンガなどでやっと俳句にとっていい潮流が生まれていますけれども、俳句は古いイメージが長らくありました。ですが歴史と文化に彩られた俳句は今や世界遺産にする動きもありまして、われわれはそんな俳句を未来に残すことに協力したいんです。
── 新俳句大賞はその力になっているのでは?
横山 今はLINEスタンプ1個でコミュニケーションが完結する時代。どんどん簡略化して、あいさつひとつも略語で終わる時代だからこそ、考えて言葉を発する文化は残したいですし、平成元年に誕生したお〜いお茶で日本茶と俳句の文化を、ずっとつないでいこうと思います。

画像提供:伊藤園
(辰井裕紀)