ねとらぼ

県道515号には、もっとすごい「門番の大ボス」がいた……!

まだまだ続くよ県道515号! 逆の西側から歩いてみた

 続いて県道515号を逆から、終点の千木良側からも確認しましょう。千木良バス停のすぐ脇、国道20号との名前のない交差点からのスタートです。

三井側と違い、県道の標識がありました。その隣には謎のモニュメント
三井側と違い、県道の標識があった。その隣には謎のモニュメントがあった
2車線の道路を道をしばらく進みます
2車線の道路を道をしばらく進む

 ここから1.4キロの間、2車線の道路を道なりに進みます。途中、工事中の津久井やまゆり園が右手に見えました。

 県道517号が分かれる十字路に着きます。青い看板に県道515号の案内はありませんが、「この先通行止」と書かれています。こちらが県道515号です。

 この十字路にも「この先0.5kmより名手まで落石の恐れがあり、路肩も危険な為全面通行止 通り抜け出来ません」の看板がありました。ただし植込みの中にあったので、三井側の標識よりは目立っていなかった印象です。

県道517号が分かれる十字路を直進します
県道517号が分かれる十字路を直進します
注意の看板はあるが、植込みの中にあるため目立たない
注意の看板はあるが、植込みの中にあるため目立たない
すぐに道が狭くなります
そして、すぐに道が狭くなる
交差点から500m付近。赤馬の住宅街を抜けていきます
交差点から500メートル付近。赤馬の住宅街を抜けていく
交差点から約1キロ。この先は「山」に
交差点から約1キロ付近。この先はもう「山」である

 交差点から1キロほどでもう「山」の中へ。こちら側も大規模な崩落があったようです。ガードレールが倒され、路肩にはカラーコーンが置かれていました(2020年1月の取材時)。こうして交差点から1.2キロ、見たことのない光景が……。現れましたぁぁぁボスが!

1車線道路の路肩には頼りないカラーコーン。細心のハンドルさばきが要求されます
1車線幅な狭い道の路肩には頼りないカラーコーン。細心のハンドルさばきが求められる
振り返ると、ガードレールがなぎ倒されていました
振り返ると、ガードレールがなぎ倒されていた
数軒の民家の奥に、通行止めの看板が
数軒の民家の奥に「通行止め」の看板
再度の警告
再度の警告
「通行止」と書いてある割に、クルマ1台の通り抜けは可能
「全面通行止め」3体を従えた「落石 通行止ゲート」の大ボスが現れた!

 ただ、クルマ1台分ほどの幅は確保されていること、そしてゲートは上がっていること、ゲートの先にまだ民家やクルマが見えることから、実際の通行止めはまだ先のようです。

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お断り

筆者は険道を歩き慣れており、また、用心のために3人で晴天時の日中に取材しました。険道の通行には十分な注意が必要です。また、地元の方の生活道路でもあります。決して無茶な行動はしないようにしてください

ゲートの先にはバスケットゴール。奥には民家が見えます
ゲートの先に謎のバスケットゴール
「徐行」の文字が消えた看板。そしてその奥には……
「徐行」の文字が消えていた標識
「長尾地蔵尊」。複数のお地蔵さんが祀られている
「長尾地蔵尊」。複数のお地蔵さんが祀られていた
様子がおかしい……?
そろそろ様子がおかしい……?

 大きな崩落箇所がありました。路肩が削れ、ガードレールが宙吊りになっていました。しかし、道路を埋めた土砂崩れを踏み固めて、崩落した土砂の上に道が作られていました。緊急を要した復旧状況が伺えます。

ガードレールの根元が宙吊りに!そして道路は……
ガードレールの根元が宙吊りになっていた
崩落した土砂の上を通っていきます
崩落した土砂をかためて道が復旧されていた
ガードレールはもはや何の役にも立っていません!
緊急を要した復旧状況が伺える
最後の民家を越えると一気に落ち葉が目立つように
最後の民家を越えると落ち葉が目立つようになった
そしてその奥には……
そしてその奥はついに……

 最後と思われる民家を越えると、道は落ち葉が散乱するようになり、一気に廃道の様相を呈してきます。そして見えてきます「単管で作られた、あの巨大な壁」が。名手集落で見たものと同じ作りです。

ここから名手の「壁」までの約1.2キロは完全なる「廃道」。通行はできませんし、してはいけません
ここから名手の「壁」までの約1.2キロは完全に通行止めです。決して通行はできませんし、絶対に通行してはいけません
背を向ける標識には何と書いてあるのでしょうか。それは誰にもわかりません
「壁」の向こうの背を向けた標識には何と書いてあるのでしょう……。それは誰にも、もう分かりません


 名手〜赤馬間の約1.2キロは完全に閉ざされています。東側は激狭、西側は大崩落、県道515号はこのように分断された悲運の険道です。神奈川の県道の中で最も過酷な道の1つといえるでしょう。

 津久井湖と国道20号を結ぶ県道としてはもはや役目を終えています。しかしそれでも、この地に住む人々の生活には欠かせない、大切な道なのです。

少年B

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